母娘に立ちはだかる言語の壁

娘が現地校へ通い出して半月ほど経った頃、彼女に異変を感じました。
入学時から朝はいつも学校に行きたがらないのですが、それはその時だけで、帰宅時には楽しかったと言って帰ってきていました。

しかし通い始めて2週間を経たある日の夜、ベッドの中で娘はしくしく泣き始めました…

私「何!?どうしたの!?」
「がっこうにいきたくない…おともだちができない…いっつもひとりであそんでる…」

えええ!?!?楽しく遊んでるって言ってたじゃん!嘘ついてたんかーい!…親に心配かけたくないとかあったんかな?
など色々な思いが頭を駆け巡りました。

学校に行くにあたって、「トイレ行きたい」とか「お水飲みたい」とか「一緒に遊ぼう」と言った実用性の高そうなものは英語を娘に覚えさせていたのですが、所詮親自体付け焼き刃の発音で教えた英語の上、娘自身も上手に英語の発音が出来ているはずもなく…トイレや水はジェスチャーで伝わらなくもないのですが、"遊びに入れてほしい"ってのはなかなか上手く伝えられないようで…彼女なりに悩みに悩んだのでしょう。私もまだ日々の生活に手一杯で、楽しそうに帰ってきててよかったとしか思ってなかったんですよね。能天気さに反省しました。

というわけで、このままではいけない!じゃあどうすればいい?と考えて出した結論、それは翻訳アプリ!!
結局ね、最終手段は文明の力に頼るしかないんですよ。
ちょっとした問い合わせなら間に合わせの英語で先生とやり取りはしていたのですが、事が事だけに間違って伝わったり深刻さが伝わらないのは良くないなと思い、事前に日本語で状況説明と要望を文章にしてから翻訳アプリを通し、ニュアンス等を夫にも相談し自分なりに整えた上で、朝学校に娘を送るタイミングで先生にその文章を見せました。
この伝え方は正解だったようでしっかり伝えたいことが伝わってくれたらしく、その日から先生が娘のフォローをしてくれるようになりました(見てないからおそらくですが)。
お陰でお友だちと遊べるようになったようで、お迎えに行くと「◯◯と遊んだ!」と具体的にお友だちの名前を出して話をしてくれるようになりました。
言語によるコミュニケーションって本当大事ですね。

一方その頃、私にも言語の壁が。
ざっくりの説明ですが、前提としてイギリスではGPという登録医の制度があり、かかりつけのお医者さんを自分で決めて登録し、何かあったらまずそこのGPに相談するという流れがあります。
私は喘息の持病があり、重度ではないものの薬を持っておかないと発作が起きた時に大変なことになってしまうので、日本からできる限り薬を持ち込みました。ただやはりいつかは薬がなくなってしまうので、その時のためにも医師に持病と使っている薬の説明を登録の際に伝える必要がありました。
申し込みをしたところ、後日「◯月◯日◯時に薬についてのお電話をします。英語はできますか?」という連絡がきました。ただでさえ英語はできない上に薬の説明など出来るはずもないので、英語はできませんと回答したところ通訳をつけてくれるとのこと。
そして連絡が来る当日、その時間に電話は鳴りました。通訳さんが間に入ってくれるにしても若干の不安を覚えつつ、電話を取ると…

「ujpmdwtadwm???」
何ですって!?!?笑
通訳さんいないじゃん!!!

いやもうパニックもパニックですよ。しばらくひたすら英語が耳に流れて来る中フリーズをして、我に返ったところで"Sorry,I can't speak English."とお伝えしました(英語喋ってるじゃねーかというツッコミは飲み込んでいただいて)
すると「何人だ?」と聞かれたので"From Japan."と伝えたところ、「OKまた掛け直すからちょっと待ってて」と言われてそのまま電話が切れました。
そして1分もしないうちに電話がかかってきて恐る恐る出てみたところ、通訳さんの声が!!これは心からホッとしました。そして必要事項を全て伝えて、円滑に会話が進むよう間に入っていただき、無事事なきを得ました。

で電話を切ってから私は思ったのです。
「あの連絡来た時の事前確認何のためなん!?」

これからいっぱい英語の勉強しなきゃなと思わされる体験を渡英早々にしたわけですね。


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