渡英宣告

2022年の年末、それは突然訪れました。

夫「あっ来年の夏からイギリスに行くことになるから」
…はい??

というわけで海外への憧れがないどころか、日本から一生出なくていいと思っていた人間が突然イギリスで今後数年生活することを宣言されました。

この時点で夫と私は33歳、娘は4歳になったばかり。
しかも当時はまだコロナが5類になる前でまだまだ世間はパニックの最中、そのタイミングで渡英が決まるんですか!?嘘でしょ!?という気持ちでいっぱいです。

夫は以前から留学を見据えて会社命令により帰宅後に家で英語のレッスンを受けていました。しかしそれも確実に行くと決まったわけではない、一定の年齢を超えてしまえばその可能性はゼロになるというもので、私はまさかうちの夫がそうなるわけはなかろうと甘く考えていました。
そんな中いつの間にか留学したい大学に院生時代の論文を提出したり、留学の準備を着々と進めていたわけです。別に仲が悪いわけじゃないんだけど、本当こういうのは逐一進捗を教えてほしいって心底思いました…。

さて私自身はと言えば、高校での英語の授業を最後に大学でも大して外国語の授業は取らず、ほとんど英語に触れることのない人生を送ってきました。

ましてや娘なんて!4歳は英語どころか日本語もままなりません。幼い頃から英語に慣れされるために…みたいなこと、やってるわけもなく。
こんな状況での渡英宣告ですからそれはもう、私は一人でパニックです。
渡英の時期は7月中旬、約半年で一体何ができるというのか…。

とりあえず「今からでもやった方がいいことって何?」と夫に尋ねると、格安のタブレットと安いコースのリモート英会話を用意してくれました。日本語不可のフィリピン人の講師の方が1日2コマまで、1コマ15分英会話レッスンをしてくださるというもの。母娘どちらがそのコマを利用しても良いものでした。
15分とは言っても今まで習い事なんてまだ経験したことがない娘、しかもほぼはじめましての英語でさらにリモートでのレッスン、集中力が続くわけもありません。これをやることに本当に意味があるのだろうか?と疑いたくなるような時間を過ごしました。
それでも先生方は慣れたもので、良い意味で適当に授業を進めてくれました。このお陰か娘は渡英までになんとか、アルファベットというものをちゃんと区別がつけられるようになった気はしています。多少は意味があったんですね(そう思いたい)。

一方私は、本当に日本から出たくなかったので(それはもう心の底から)どうにか単身赴任になってくれないかとお願いし続け、そうなる望みを捨てずに英会話レッスンはほとんど受けませんでした。完全に自業自得!!

ちなみに会社の制度上、単身赴任という選択肢はあり得ないものだそうで前例もなかった為、私の願望が叶うスキなんかどこにもなかったわけです。知ってたけどね、でも言い続けました笑

というわけで母娘ともに英語を喋れるわけもないまま渡英の日を迎えることとなります。

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