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私の撮りたいもの。Jimmyに出会った日

一眼レフを手に入れた約10年前、私はまるで子供が新しいおもちゃを手にしたかのように、目に映るものを片っ端から撮影していました。「何かよくわからないけど、カメラって楽しい!写真って最高!」そんな感覚で、ただただシャッターを切り続けていたのです。

2015年秋の北参道(明治神宮へ行く道)

撮りたい気持ちが日々高まる中で、これまで見過ごしていた世界が少しずつ広がっていくのを感じました。それまで東京の空なんて小さくて汚いと思っていたけれど、実際にはとても美しいことに気づきました。東京の街も「特に面白くない」と思い込んでいましたが、カメラを持つと、その面白さがどんどん見えてくるんです。

2015年12月 朝焼け

そんな中、次第に「もっと写真のことを知りたい」「写真仲間が欲しい」と思うようになり、いくつかの写真教室の体験講座に足を運びました。

そこでわかったことが一つ。私は、写真教室の先生から構図やF値、シャッタースピードのアドバイスを受けるのがあまり好きではないということでした。「うるさいな〜、私の頭の中にあるイメージも知らずに勝手にアドバイスしないで!」という生意気な初心者だったんです(笑)。

2017年 川越にて

そんな私ですが、ある日、参加した写真教室で「まずは1時間ほど自由に撮影してきてください。撮影が終わったら戻って講評します」という体験講座に出会いました。これにはワクワクしましたね。当時、カメラマンのTさんから「上手だね」と褒めてもらっていたこともあり、ちょっと自信があったんです(笑)。

しかし、いざ撮りに出てみると、何を撮っていいのか全くわからない…。時間だけが過ぎ、焦りが募る中でふと思ったのです。「褒められるために写真を撮ろうとしてる…」と。そこで、改めて「私が撮りたいものを撮ろう」と気持ちを切り替えました。

そして、目に飛び込んできたものをパシャリ。それがこの写真です↓

2015年 荒木町にて。初めてのJimmy写真(笑)

この写真、褒めてもらえましたよ!「面白いね〜」って。でも、私自身はとても困惑していました。「私、なんでこれを撮りたかったんだろう?」と。変だな、絶対変だって、こんなもの撮るなんて…と悩んでしまいました。

数ヶ月後、とある写真コミュニティの撮影会に初めて参加しました。集まったのは40代から70代くらいの方々。私は当時40代で、皆さんから「若いね〜」と言われて有頂天(笑)。その中で、ひとりの素敵な女性(おそらく60代くらい)から「あなた、こういう写真好きでしょう?」と、Facebookの写真コミュニティのグループの写真を見せられました。そこに写っていたのは、まさに私が悩んでいた「変な写真」のオンパレードでした。

一瞬、「バレた!私が変なのバレちゃった!」と思いましたが、それ以上に「このグループ、何?」という興味が勝ちました。そのグループの名は「I love Jimmy ! (ジミーに首ったけ♪)」。Jimmyとは、地味な被写体のこと。古い家やトタン、有刺鉄線、側溝など、地味な被写体ばかりを撮るグループです。そんなグループが存在するなんて、まさに目から鱗が落ちるような体験でした。「私の居場所、みーつけた!」と心の中で叫びました。

2017年 Jimmyに慣れてきました(笑)

今ではあまりグループに投稿していませんし、ストリートスナップが私のメインとなっていますが、このグループで自分なりのJimmyを探求した経験は、今の私にとって大きな糧となっています。そうそう、当時は「Jimmyとは何か?」ってよく考えていましたね。私の思うJimmyは、「残していきたい美しいもの」っていう裏テーマにしていました。今は「ストリートスナップとは何か?」を考えていますが、そんなこともそのうち書いてみようかな〜と思っています。


2017年 I Love Jimmy!グループ展出展作品
2020年コロナ禍直前に開催された I Love Jimmy! グループ展出展作品


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