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2022年11月イギリスの配偶者ビザ申請しました。①Financial Requirement編

はじめに

イギリス人の妻と結婚し、日本に住んでからずいぶんと時間が経ち、やっとイギリスへ渡航するための、配偶者ビザ申請が終わりました。結婚した時、私たちはまだ20代前半、妻は日本語が話せなかったので、出来ればイギリスで新婚生活を送りたいと思っていました。しかしながら大きな壁として立ちはだかったのは移民条件の財務要件(Financial Requirement)を満たす必要があること。今回ようやく条件を満たす事が出来ましたのでVISAの申請をしました。

わたしの場合はイギリス関係の申請書類は相方ではなく全部日本人の私が翻訳、申請してきました。婚姻届、出生届、パスポート、等々。しかしこの婚姻ビザに関しては失敗すると移民局の履歴に残るらしいので、、、念のため配偶者のビザ申請については、イギリス現地の弁護士を探すことにしました。探す時に本当に自分たちの財政状況が大丈夫か相談して(そこまでは無料でやってくれます)大丈夫そうなら弁護士と契約して進める方が良いのではないでしょうか。弁護士の選定、翻訳業者もイギリス政府のサイトに載っている翻訳業者にお願いしました。ここら辺もまとめていきたいと思います。

まだ許可は出て居ませんが、許可が出るまでは最大6か月かかる(例の紛争で移民問題で遅れている)そうなので、忘れないうちに記録をしていきたいと思います。

※この記事は2022年9月に申請したものです。刻々と最新情報は変化しますし、間違った情報もあると思いますのでGOV.UKを参照してください。


Financial Requirement(財務要件)

配偶者ビザにおいて、まず立ちはだかるのはFinancial Requirementの壁を突破することです。ここさえ突破すればビザ申請をクリアしたも同然です。ここがだめならあきらめるしかありません。ルートとしては大きく3つあります。まずは簡単な方から紹介したいと思います。私たちは難しいなルート2を選択したので、10年かかりました。(裕福な家庭だったら問題ないのでしょうけど・・・)なので②については少し詳しめに紹介出来ると思います

①英国人配偶者の年収が£18,600以上

英国人配偶者が「英国」で就職しており、年収が18,600ポンド以上ある
※日本での労働収入は反映出来ません
子供が英国籍でない場合は下記が追加されます
(子供が生まれたら忘れずに英国にも出生届を出しましょう)
第一子:£3,800
第ニ子以降:£3,800+£2,400(第2子以降は一人£2,400プラスになります)

これが一番楽なルートです。現在の円安レートでも年収300万円程、かなり条件はゆるいかと思います。イギリスの2020年度の平均給与は中所得者で£31,285(520万円)です。なのでざっくり平均給与の半分です。
この条件なら仕事も見つけやすいと思います。イギリスに配偶者としていくなら先に英国人側に渡英してもらって就職して年収300万円以上を稼いでもらった方が良いでしょう。
子供に関しては公的文書で非常にわかりずらいのですが、英国現地の弁護士は子供が全員イギリス国籍なら年収は£18,600で大丈夫との見解でした。

②£62500以上の貯蓄(約1000万円)

夫と妻で合わせて62500ポンド以上の貯金がある

子供が英国籍でない場合は条件が厳しくなります
(子供が生まれたら忘れずに英国大使館にも出生届を出しましょう)
第一子:£72,000 (1200万円)
第ニ子:£78,000 (1300万円)

・貯金(Savings)の考え方・計算方法

  • ベースとなるのはルート①の給与18,600ポンド

  • ビザの期間は2.5年、その間収入がなくてもルート①と同じ暮らしが出来る証明する必要があります

  • 貯蓄で申請する場合、£16,000は使わないで残しておく必要があります

  • 夫婦の複数の銀行と合わせてトータルの金額がビザを申請する6か月前から申請日までに£62,500を下回らずに推移していればOKです。

  • 住宅売却は資産のため6か月間のカウントは必要なく、即反映されます

日本人配偶者以外、全員英国人の場合
£18,600 x 2.5年 + £16,000 = £62,500
英国籍のない子供がいる場合
子供1人 (£18,600+£3,800) x 2.5年 + £16,000 = £72,000
子供2人 (£18,600+£3,800+£2400) x 2.5年 + £16,000 = £78,000

・財務要件関連で提出した書類

以下、提出した書類です
①預金通帳6か月分の明細(合計4行分)
②ポンド建で持っている口座の預金残高証明書
③Declaration of funds 
④土地・建物全部事項証明書
⑤土地・建物売買契約書
⑥住宅ローン完済証明書

①預金通帳6か月分の明細(合計4行分)
複数の銀行を使っていたので、まとめるのが大変でした。
出来れば1つの口座で全て管理出来ればわかりやすいと思います。
口座も少ない方が、翻訳費用も上がらなくていいですね
補足としてエクセルでこんな感じでまとめて提出しました

②ポンド建で持っている口座の預金残高証明書
明細だとポンドの推移がわかりにくかったため、念のため預金残高証明書を一緒に提出しました。SBIネット銀行は残高証明書の英文は無料で何度でも、作成できます。

③Declaration of funds 
弁護士が作った貯蓄が正しいという宣言書です。

④土地・建物全部事項証明書
マイホームの所有者がわかる証明書です。法務局で取得可能です。

⑤土地・建物売買契約書 ⑥住宅ローン完済証明書
住宅売却時の金額や所有権が移ったことを証明できる書類です。住宅は資産としてカウントされるので6か月の待機期間が不要です。売却金額からローンの残債を引いて余った分が貯蓄としてカウントできます。


・翻訳

翻訳に関しては現地の弁護士から今回は自分で訳さないでイギリス政府で紹介している日本にいる翻訳会社に訳してもらってほしいと言われましたので、このwebサイトから探しました。

何社か連絡を取りまして、見積もりやレスポンスの感じから「株式会社コミュニケーターズ」さんにお願いすることにしました。結果としては凄く良かったと思います。こちら側の修正依頼にも丁寧に対応いただきました。追加書類も追加金額はありましたが対応していただけました。


・財務要件の注意点2つ

  • 日本円の貯金を証明することになると思いますが、移民局が計算するのはあくまでポンド建てです。為替の変動があるので、余裕を持った貯金にしておくことをお勧めします。移民局はOandaの為替レートを使っています

  • 同じ名義間であっても、6か月の間にみずほ→SBI銀行のように送金してしまうと、その分がカウントされなくなります。6か月間での”各銀行口座の最低貯金額”を合わせた金額が適用されます。

例)
みずほ銀行100万円 → 30万円送金 → 残り70万円
SBI銀行   100万円 → 30万円受取 → 残り130万円

トータルでは送金前も、後も、200万円ですが、各銀行口座の最低金額なので、みずほ銀行は70万円、SBI銀行は100万円が適用されます。つまりイギリス政府的には上記のようにお金を動かすと、私の貯金は170万円という事になります。これは注意!

円安進行が凄かったので途中でポンド預金をするためにレートのいいSBIにお金を移したため、条件がギリギリになってしまいました。私の場合は幸いなことに何とかなりましたが、銀行間でお金を移す必要があるなら申請の半年前には全て終わらせておくといいと思います。

③英国人の年収+夫婦貯金の合わせ技

英国人の英国での収入が少し足りない、貯蓄も少し足りない人への救済策として、二つを合わせる方法もあります。

Total Savings Hold:6か月間キープした貯金額
Income needed from other sources:必要な英国人の年収
英国のアルバイトでの平均年収は£13,500といわれていますから、この合わせ技で行くなら、£33,000(550万円)をためる、というのが一つの目安になると思います。


まとめと雑記

上記条件のうちどれか一つでも満たすことが出来れば配偶者ビザの道が開けてきます。他にもいろいろ揃える書類はありますが、このFinancial Requirement(財務要件)さえクリアすればあとは手間と時間がかかるだけなので大したことはないと思います。
この手続きをして何度も思ったのが、やっぱり日本の配偶者ビザは楽だなぁと。この経済的要因で一緒に住めない人も一定数いるそうです↓(リンク)

参考までに2022年度のイギリス人平均貯蓄は£9,633

日本の平均貯金を見てもかなりこの条件が厳しいことがわかります。

それでも私たちの場合、日本に長く住んでいることで子供達は流ちょうに日本語が話せますし、これからイギリスの現地学校に入れて上げれば瞬く間に英語を覚えてくれるでしょう。本人たちには大変な思いをさせますが、両方の文化を学ぶ事も出来ますし、かけがえのない経験になるのではないでしょうか。本人たちも彼らなりに考えて、今回決断をしてくれたので、一緒に頑張っていこうと、今では心に決めています。
配偶者VISA発行は否定される話もよく聞く話なので、戦々恐々としながら待ちたいと思います。いいねと、もしよければコメントいただければ嬉しいです。

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