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旅先の物見遊山

私は旅が好きだ。
国内外問わず、時間とお金に余裕があれば旅の計画をはじめるし、無くても「あそこに行きたいなあ……」と旅先に思いを馳せている。

私は小旅行を頻繁にするより、何週間かの旅を年に数回する方を選ぶ。
こうするのは、ホテル暮らしに憧れているというのもあるし、住処から離れてしばらくの間生活することに楽しみを感じる質だからだ。長めなので大体仕事をしながらの旅になる。毎日出かけるわけではなく、執筆するとなるとホテルに引きこもったり、その土地のカフェに居座ったりして仕事をしている。

私は観光をあまりしない。
これまでそれなりに観光をしてきたが、何を見物したのかほとんど覚えていない。記憶に残っているものもわずかにあるが、おそらく何も感じていないからだろう、だいたい『あそこ? 見たよ。人が多くて大変だった』で終わる。それだけの感想を得るために、有名な史跡や風景を見に行くどうかと思う。この前何度目かの清水寺へ行った時に改めて思った。

私は旅先で体験することが好きだ。
そこに住む人におすすめの過ごし方を聞いて、その日の気分にあわせて食を楽しみ、できれば料理もしてみるし、芸術にも触れて、温泉があったら浸かる。その土地の空気を肌で感じながら、のんびりいい時間を過ごすのだ。旅行は疲れるものだが、癒されるものでもあってほしい。

こういう旅のこだわりがあるものだから、誰かと一緒に旅するのは2〜3日までが限度だ。その数日で楽しいと思えたら大成功。

私の旅は、観光ではなく物見遊山。
出かけた先で遊んで、気晴らしができればそれでいいのだ。


【物見遊山】ものみゆさん
三省堂の新明快四字熟語辞典【第二版】によると、「あちこちを回って、見たり遊んだりして楽しむこと」という意味。

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