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人間への信頼という哲学と暮らしの接続


最近、思うのは、人間に対する信頼というものを前提において物事を進めていかないと長い目でみれば、やっぱり失敗してしまうのではないかということです。

もちろん、悪意のある人間等などに関しては横に置くのは否定しませんが、たとえ、仕事上の付き合いであっても、その人間を何かの手段として扱うようになってしまえば、その時だけはうまくいっても、結局は失敗してしまうんじゃないのかということです。

哲学者のカントは『道徳形而上学の基礎づけ』のなかで次のような言葉を述べています。

汝の人格やほかのあらゆる人の人格のうちにある人間性を、いつも同時に目的として扱い、決して単に手段としてのみ扱わないように行為せよ。

有名な定言命法で、カントは人格を有する存在、すなわち、人間とは、他のものと引き換えがきかない価値(尊厳) を持つゆえに、目的として扱わなければならないと解きます。

高邁な言葉で私達の日常生活は無縁なように聞こえますが、それでも、人間に対する信頼で動いていくという構えも同じことではないかと僕は考えています。

こうした知見を活かしていくことで、人間の生きている現場、社会というものは少しづつ良くなっていけばいいなという思いで、仕事や様々な活動に取り組んでいます。

これも哲学の活かし方のひとつかなと。


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氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。