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あんときのデジカメ 僕にとっては金倉川に咲きひしめく菜の花が春の鉄板イメージ with KONICAMINOLTA DiMAGE Z5

(はじめに)桜こそ春のイメージの代表ですが僕にとっては菜の花でしょうか。今回は人間の記憶やイメージを考えながら、春らしい写真を撮ってみました。桜もいいですが、川辺の咲き乱れる菜の花も「春らしい」ですよね。

菜の花がタクサン咲く金倉川の春

 毎日、日記をつける習慣があるひとを僕はとても偉いと思う。昔からそうなのだけど、僕自身は日記が3日と続かないたちなのだけれども、その代わりに写真が日記がわりのようになっているように思える。

 古い写真を見直したり、あるいはiPhoneの古いコレクションを眺めていると、このときには、こういうことがあったとか、あのときにはこういうことがあったということだけでなく、この季節になれば、こうした写真を必ず撮影して記録を残していかなければならない、なんて考えてしまうものです。

 僕にとっては、讃岐の丸亀平野を流れる金倉川(2級水系)の菜の花がそうしたもののひとつになっています。

 まあ、悪いことをしたわけじゃないのだけれども、讃岐流罪になってから香川県に落下傘したその4月、春には菜の花がたくさん咲く金倉川の光景を前に、僕らしくないフレーズなのだけれども、

 「なんとも春らしい

 などと口をついてでしまったので、金倉川と菜の花は僕にとっては切っても切れない間柄といっても過言ではないでしょう。

アイマイな人間の記憶


 しかし、20数年前まで、十数年はその近くに住んでいたにも関わらず、その情景の記憶というものは一切なく、僕にとっての金倉川と菜の花という組み合わせは、たかだか2-3年の生活で合成されたイメージであることは事実です。

 その意味では、人間の記憶や意識というものは割とアイマイなもので、そんなに宛になるものじゃないことだがつくづく思い知らされてしまうのですけれども、どうしても日記をつけることでその齟齬を修正しようとは思われず、とりあえずここ数年の出来事は、写真で振り返るほかありません

 日記といえば作家の村上春樹さんも「日記をつけない人なのだけど」、ひととき付けていたことがあったそうで、読み直してみると、日記に書かれている事柄とそのイメージの乖離に驚いたそうですね。

 年をとってから思いかえしてみると自分がすごくはりつめた青春時代を送ってきたような気がするのだが、実際にはそんなことはなくて、みんな馬鹿なことを考えながらたらたらと生きてきたのである。
 古い日記を読んでいるとそういった雰囲気がひしひしと伝わってくる。

(出典)村上春樹「『引越しグラフィティー(6)』、村上春樹・安西水丸『村上朝日堂』新潮文庫、昭和六十二年、51頁。


コニカ、ミノルタの軌跡を憧憬しつつ

 今回、菜の花であふれる金倉川をスケッチするに利用したのは、コニカミノルタのネオ一眼レフカメラといってKONICA MINOLTA DiMAGE Z5というシロモノです。単三電池で動くスグレモノで、コニカミノルタ製品としては最終盤の2005年に発売されたモデルです。翌年には残念ながらコニカミノルタはカメラ事業から撤退してしまいますが、この時代のカメラとしては、非常に優秀な出来栄えというのが僕の使用感です。

 では簡単にスペックを紹介します。撮像素子は、500万画素1/2.5型CCD、ネオ一眼というにはCCDが小さすぎるので、いろいろな収差が気になるのがちょっと限界を感じますが、最大の魅力は、光学12倍相当の高倍率のズームレンズを搭載しているところです。レンズの焦点距離は35mmフィルムカメラ換算で35-420mm、コニカミノルタ独自のCCDシフト方式の手ブレ補正機構「Anti-Shake」が搭載されていることとあいまり、予想以上によく写るというインプレッションです。

 くわえてレンズには、ミノルタのブランド「GT」が冠されており、これが非常によく映ります

 さて、コニカとミノルタは、35mmフィルムカメラ時代から数々の名機を投入してきましたが、特に入門機やファミリー向けのカメラがその殆どではなかったかと思います。ご多分にもれず、私が使用してきたのは、コニカは、c35というファミリー向けレンジファインダー機、ミノルタは、純正なミノルタカメラでは、ライカMマウントレンズを取り付けることのできるミノルタCLEと、ライツとの共同制作となったライカCL、レンズはロッコールM-40mmを使ったことがあるだけです。コニカのヘキサーは高価で、ミノルタCLEで代用できることで敬遠しつつ、気がつけば、両者が統合してしまったことに、21世紀恐るべしなどと思ったものです。

 ということで以下作例です。ちょっとノスタルジジイになってしまい申し訳ございません。まあ、拙い写真ですが、ご笑覧くださればと思います。



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今回の撮影行立ち寄ったのは、チェーン店のラーメン店。いわゆる「こってり」の嚆矢になる「天下一品」さん(丸亀おいしい広場店、丸亀市田村町1273-2)。このラーメンですが、不思議なことに定期的に食べたくなってしまうんですよね。中毒性が高いです(笑

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ということで撮影データ。プログラム撮影、ISO100、ホワイトバランスオート、露出補正なし。画像は2560×1920で保存。撮影は2020年4月08日~4月20日。撮影場所は香川県善通寺市、丸亀市。


氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。