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【234】夕方の彷徨:中島みゆきさん「ここにいるよ」、道ということ、農地の問題等について考えたこと 2024.8.4


1 中島みゆきさんの歌

 連日の猛暑で途絶えがちだった夕方散歩を再開しました。
 この日は、中島みゆきさんの「ここにいるよ」というアルバムを聴きながら細い道を下に降って歩いてみました。

 このような中島みゆきさんの曲を聴くとき思うのです。

 拓郎とか陽水とか泉谷とか、もっと言えば岡林信康とか、一世を風靡したやつは何人もいたけど、みんなどこかに消えちまって、今残って戦い続けているのはみゆき1人じゃねえか、と。

 私もかっては技術者のはしくれで、ふと気づくと周りの者が皆いなくなって、心折れそうになるながら一人で戦っていた時期がありました。
 その当時は、夜中の2時3時まで仕事をして、疲れ切って家に帰って、2-3時間仮眠すると起き出してまた仕事に行く、そんな毎日ので通勤の車の中でファイトを聴き、ヘッドライトテールライトを、地上の星を聴いて、まだ俺の旅は終わってはいない、負けてたまるかとなけなしの心を奮い立たせていました。

 みゆきさんの曲を聴くと、色々なことを思い出し、心を揺さぶられ、平静ではいられない部分があります。
 みゆきさんがいて、こうして「ここにいるよ」とエールを送ってくれていることにどれだけ励まされたか分かりません。
 みゆきさんについてはまた改めて別稿で書きたいと思います。  

2 脇道に入る:道=人の世界ということ

 この下へ降る道は、もう何度も歩いていますが、林を抜けると開けた場所があり両脇には箱根西麓野菜の畑が広がっていて、そこを抜けるとまた林があってと言った感じに景色が移り変わっていく気持ちの良い道なのです。
 そのメインの道の途中から何箇所か横に入っていく脇道があって、それを見ると、それがどこに続いていくのか確かめてみたくなるのです。
 今回は右の方にかなり遠くまで続いているのが見渡せる、前から気になっていた道に入ってみました。
 こうした道は、大体は道のわきに切り開かれた農地へ行くための道なのです。
 以前、北海道をなぜ北海道というのか、なぜ道の名前が、地方全体を意味するのだろうかということを不思議に思ったことがあります。
 その理由ですが、昔は道があるところしか人は住んでいなかったということなのだと思うのです。未開の原生林や草地があって、その中に道を作って家を建て畑を作る。道のあるところだけが人間の領土であり、道から離れた所はもはや人の世界ではなかった。だから道=人の世界だったということだったのではないかと思うのです。
 
 こうした道をたどると、細い道が作られて両脇に畑が切り開かれていても、畑の向こうは木々と雑草や蔦などが生い茂った、とても踏み込むことのできない原生林になっているのです。
 道あっての人の世界ということを実感しました。

3 農地が減少している

 その道を歩き出してしばらく行くと様子が変わってきました。道の両脇には丈高く雑草が生い茂り、コンクリートが打ってある道自体も、コンクリートの継ぎ目ごとに草が吹き出ていて、今にも頼りなく道は草の中に飲み込まれそうになっているのです。

道の両脇は草が生い茂っています
コンクリートの継ぎ目からも草は吹き出ていました。

 草をかき分けながら道を辿ってみましたが、結局、道はどこにも繋がっておらず、下の写真のように唐突に終わっていました。

道の終わり

 道を戻りながらが考えたのですが、この道の両側にはかっては立派な農地が広がっていたのだろうなということでした。

 耕作が放棄されてしまって何年経ったのでしょう。
 耕作が放棄され、人が通うこともなくなると、農地も道も早晩草に吞み込まれて跡形もなくなるのでしょう。

 風の谷のナウシカの冒頭付近で「また一つ、町が腐海に沈んだ。」という詠嘆のセリフがありますが、そんなことを思いました。

 以前から、農地で働く人を見ると年配の方が多く若い人の姿はほとんど見かけないことが気になっていました。
 農業こそが国の礎だと思うのですが国全体で農地の減少を食い止めなければならないのではないかと思ったりします。

4 イヤホンが片方無くなった

 道の終わりから戻り始めた時、ふと音楽が片側だけしか聞こえなくなっているのに気づきました。
 イヤホンに不用意に触るとオフになってしまうことがあるので、きっとそれだと思って手をやるとなんと右側のイヤホンが無くなっていたのです。
 大変だと思って目を皿にしながら道を戻って探したら、ありました。道の終わりのところに落ちていました。

イヤホン有った!

もう少しずつ暗くなりかけてきた時刻だったので見つかってほっとしました。

5 ナンバ歩き

 散歩するために下へ降る道を選ぶ時の問題点は、疲れてきた復路が登りになってしまうことです。
 そこでですが、僕は今、歩く時にナンバ歩きを試しています。
 本当に正しく歩けているかはまだ自信がないのですが、この歩き方は、特に登りの道の際にすごく楽で効果があるように感じています。
 ハプニングもありましたが、なんとか無事に家に帰り着くことができましたので、今回はこの辺で終わります。
 ナンバ歩きについては、また別途書きたいと思っています。


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