ムダを無くしてスマートな管理を。@機器管理台帳#1

情報システム部の方にはよくわかる話しだと思いますが、管理台帳ってとても大切です。なぜなら台帳を基に多くのことを決定するから。台帳の間違いは即ち決定の誤りにつながります。

例えばIPアドレスを新規で割り振りたい場合、大抵は台帳から空いているIPアドレスを確認し、割り振ります。だから元々記載漏れがあればIPアドレスは重複するし、ホスト名も被ります。この場合、まずは原因の切り分けからIPアドレス重複へと辿り着き、対応として別のIPアドレスを割り振ることになります。そして誤った機器の設定変更も同時に行うことになります。設定を外部に委託している場合はもう少し面倒ですね。このようなリカバリー作業をいままでに経験した方も多いのではないでしょうか。

この例のリカバリーの処理にかかる時間は通常数時間程度ですが、3回、4回と積み重なると無視できない工数になってきます。何より、貴部の信頼失墜にも関わります。

では、何故ミスは発生するのでしょう。見落とさないでいただきたい原因の多くに「環境」があることです。原因は人にあり「新人だからだ」「Aさんの不注意だ」と決めつける前に、今一度確認していただきたい。原因は仕組みにありませんか。管理手法の問題であり、人にフォーカスしたPDCAを実施しても時間の無駄ではないでしょうか。

今回の場合の原因と対策を考えてみます。まず「新規でIPアドレスを割り振る際に、前回の記載漏れがあったために重複したIPアドレスを割り当ててしまった」というストーリーです。人が台帳への記載作業をするという時点で作業ミスは当たり前に発生すると考えていただきたい。そのうえで、ミスが発生しない仕組みを1つ提案させていただきます。

基本的に台帳は全ての資料の一次資料であるべきです。その上で、IPアドレスの設定を依頼する作業においては、一次資料である台帳よりコピーするのです。コピーした依頼文書は二次資料、三次資料となる訳ですが、一次資料に間違いがなく、手段がコピーであれば以降の資料の内容は担保されます。(この際、ホスト名とipアドレスはセットでコピーすべきです)一次資料に記載を行っている時点で記載漏れの可能性は消えます。(保存や最新資料の管理に関しては別の問題と定義しておきます)

まとめると、表の原因は人の作業もれにありますが、裏の原因は記載が漏れても次の工程に進める手順となっている仕組みにある。対策は管理表を埋めてコピーすることで設定のフェーズに進むことが出来るようにする。

如何でしょう。ごく当たり前ですが、これが出来ていますか。当然「いやいや云々・・」という意見もあることは分かります。ですが、情報の取り扱いにおいては基本であり、基本を抜きにして話を前に進めることはナンセンスと考えます。#2以降の記事ではこのような考え方のもと「1.台帳の考え方」「2.台帳に記載すべき要素」「3.台帳の構成」の3部構成で話を展開します。※本記事はハードウェア台帳について記載しており、ライセンス系台帳については別途、機会がありましたら記載します。

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