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【UW映画感想】#68『すずめの戸締まり』【上田昌宏】

日本を代表するアニメーション作家、新海誠監督の作品を「君の名は。」以来に久しぶりに観てみた。
画を見ただけで、新海誠だとわかる空の色調、水や雨の繊細な表現としつこいまでのレンズフレア。
代名詞のような画作りはさすがだなと思いました。

取材をしっかりしてるんだろうなとわかる、実際の風景との忠実さ。主人公(すずめ)が九州地方から四国、関西、東京と移動していくなかで、ちゃんと登場人物のセリフの方言が、地方ごとに変わっていくところも忠実に再現していることに気づき、これにも感心しました。

ストーリー的には、「君の名は。」に比べると、ファンタジー色が強くて、若干入りにくさはあるかなというのと、閉じ師である宗像草太の家業や人柄の掘り下げがあまりなく、すずめの一目惚れって言うことだけでは感情移入のしづらさはあったかなと思う。

とは言いつつ、クライマックスに近づくに連れ、宗像草太が自身の感情を吐露し、すずめとの絆を確立していく部分は気持ちをグッとつかまれた。やはり人は、人の感情に感情移入する生き物なんだなと思わされる良いシーンだった。

この映画のジャンルとしては、女子高生のすずめが旅の中で成長していく過程を描いたロードムービーなので、やっぱり旅っていいなとしみじみ思う、旅に出たくなる作品でした。

主人公が中高生ぐらいの作品が、物語として最強のコンテンツなんじゃないかなと思う、今日この頃です。

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