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【UW映画感想】#11『ザ・クリエイター/創造者』【福島慎之介】

前回デンゼルについて軽く熱く語りましたが、
今回はデンゼル・ワシントンの息子、ジョン・デヴィッド・ワシントンの主演作である本作について軽く熱く語ろうと思います。
ちなみに、ボクはジョン・デヴィッドとタメです。

さて、この作品
VFXがとにかくすごいです。
世界観もほーんと素敵で美しいです。
もうほんとになんでもできちゃうんですね。
美しいVFXと音楽がこの作品の80%ぐらいを占めています。

物語を簡単に説明すると、
”AI vs 人間” というのが主軸でして、まぁ「ターミネーター」ぐらいからすでに語られている話なのでとくに新鮮さはありません。
ちなみにターミネーターは1984年公開なので、ボクとタメです。

ちょっと面白いのは、”AI vs 人間”と見せかけて、”アジア vs USA”の戦争映画というところです。
本作では風景だけを見るとネパール・ベトナム・日本などがまとめて”ニューアジア”として描かれています。そのニューアジアを実効支配しているのがAIであると。(←USA目線)
そしてUSAをどちらかというと悪役側としてストーリーが展開します。

ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、
戦争をしている理由や、きっかけとなった事件の本当の理由がちょっとしょーもないです。(というか単に描ききれていないだけなのかもしれませんが。)
戦争する以外の解決策絶対あったやろ、と大学中退のボクですら思ってしまうぐらい奥行きがありません。
そのせいか、悪役側のUSAもニューアジアAI軍団もちょっとアホに見えます。(もしかするとそういう意図なのかもしれませんが。)

物語としてわりと大事な部分がそんな状態なので、もう全体的に奥行きがありません。
登場人物たちの動向にしても、なんで?となる感情の動きが多いです。
これはひとえに、見せたい美しいビジュアルがありそのために物語が進行しているからである、と大学中退のボクは考えます。

少しだけマニアックな話をすると、
この作品はSonyのFX3というカメラで撮影されちょっとした話題になっていました。
あまり詳しくは語りませんが、FX3で撮影されたことも影響していると思います。
この奥行きの無さに。

ボクにとってこの作品は、映画を作るということにおいて色々と考えるための良いきっかけを作ってくれた素晴らしい作品でした。

・ビジュアルが先行すると物語が添え物になる。
・物語が添え物になると登場人物の感情が支離滅裂になる。
・FX3でも映画を撮れるけど、FX3で映画を撮らない方が良い。
・デンゼル・ワシントンとジョン・デヴィッド・ワシントンの声がそっくり。

物語や登場人物の感情/全ての奥行きをさほど気にしないで、そんなことよりも見せたいビジュアルやシーンを突き詰めたインディペンデントっぽい映画の最高傑作です。

いつかハリウッドで潤沢な予算でリメイクされることを期待しています。

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