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手紙を書くように、誰かを思い浮かべて。

しばらく会えていない人から、便りが届いた今日。

その人は、わたしが大切な時間を過ごした場所に宿を構えていて、過去のわたしと同じように、偶然にもその場所へ辿り着いた人たちを日々迎えている。

私が足を運べていない間に、新たな人がそこに根を下ろし、場を作ろうとしているらしい。風景が移り変わっていく様子が便りから伝わってきた。ついこの間まで、私もその場所に馴染みが深かった気がするのに、いつの間にか時間が経ち、知らないことが増えていくのを実感。若干の寂しさが湧いてくるような、来ないような。

思うように前へ進んでいかない仕事に目が回りかけていた一日の合間。焦りと苛立ちを抱えていたけれど、便りを読んでいるその時だけは、今ここではない場所に思いを馳せ、温かい気持ちになっていた気がする。

改めて、便りというかお手紙って、いいなぁ。

具体的な誰かを思い浮かべて綴られた言葉は、きちんと相手の心に届いていく。自分はそんな風に書けているだろうか。誰に向けて書いているんだろうか。そうやって顔を浮かべ、思いを馳せる時間を持てるようでありたい。

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