見出し画像

【読書】ズラータ、16歳の日記

こんにちは。
本日も読書感想文です。秋なので(笑)

今回は、
「ズラータ、16歳の日記」です。
作者はズラータ・イヴァシコワさんという、
現在17歳のウクライナ人の女性で、
ご本人の日記と絵が、1つの本になった構成です。

ズラータさんの気持ちをメインに、
ウクライナから日本に来るまでの旅路を描いた本になりますので、
ウクライナの情勢や歴史について詳しく知りたいという方向けの本ではないかなと思います。

私は最近、
同じくウクライナから避難され、日本で生活している女性と
出会いお話する機会がありました。
なので、この本を見つけて自然と手に取りました。

仲良くなった彼女と、ズラータさんが重なり、
読んでみたいと思いました。

物語は当時16歳のズラータさんが、
ウクライナ・ドニプロで生活されているところから始まります。

驚いたのは、
想像以上に日本と似たような、「普通の生活」をされていたんだ、
ということです。

私は本当に無知で、
世界の国々の情勢を把握していません。
ウクライナのイメージは、
「なんか幸せのトンネル的なのがあったような・・緑がきれいそう・・」という感じで、、
戦争が始まったときいて、初めて意識したくらいです。

失礼な言い方になってしまいますが、
(気分を悪くしてしまったら申し訳ないです。)
なんとなく、戦争が始まるような国は、
それ以前から貧困だったり、電気が普及していなかったり、
ネットが使えなかったり、
国民の自由がなさそうな・・
なんというか、日本の明治時代くらい・・?
というイメージを勝手に持ってしまっていました。

ところが、ウクライナは、
もちろん、明治時代ではありませんでした。
普通に暖房の入るマンションで生活して、
学校や専門学校にいって、
好きなことを学んで、
ネットでショッピングもできるような生活。
日本と、私と、変わらない。

私は、今の自分の生活が、
自分以外の原因で急に崩れることの想像が全くできません。

急に「明日から戦争です」と言われても、
何の準備もできていません。

でも、実際にはウクライナはそんなことが起きてしまったし、
日本だって、絶対に起こらないとは言えないんだ。

ズラータさんの本を読んで、
初めて戦争が急に身近なものに感じられました。


話を戻します。
ズラータさんは、戦争が始まって間もなく、日本に行こうと決意され、
地元のドニプロから長く密集した電車を耐えて、
ポーランドに赴き、
そこでビザをと取り、コロナと戦い、
やっとの思いで日本へ…
と物語は続いていきます。

ズラータさんの思いの強さと、
周りの人たちの温かさ、
戦争とコロナという時代の醜さなど、
絵とともにわかりやすく描かれています。

私だったら、
戦争が始まったときすぐ決断できるだろうか。

私だったら、どこに逃げる?
誰かを頼れるか?
誰かを守れるか?

16歳の一人の少女の生き様を読んで、
考えさせられることがたくさんありました。
ぜひ、若い人にも読んでほしいと思う本でした。


最後に、私の出会った彼女についても少し。
彼女は、
とてもかっこよく、優しく、明るい人です。
日本で働き、
私たちとたまにお酒をのみ、
よくしゃべり、よく笑います。
ウクライナのことや家族のこともよく話してくれます。
学ばせてもらうことが多くて、
何かしてあげたいという気持ちになるけど、
「こうやって日本で生活して、普通にしゃべって、笑って、
酒飲んで、というのが楽しい」
と言ってくれるので、
私も変な気遣いをすることなく、
彼女と接することができています。

この先まだ情勢がわからないけど、
彼女がどこで生活するにしても、
幸せだったらいいし、
私と出会ってたくさん話して笑顔をくれて、
心からありがとうと思います。
ズラータさんの本にも素敵な出会いのことが
たくさん書いてありました。
国をこえても、普通に助け合って話し合える世になれば良いのに…
ありきたりな感想になってしまいましたが、
出会えてよかった一冊です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?