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ギャルとアンミカさんとアレルギーの話

 生まれ変わったらギャルになりたいです。
 自分が楽しいと思えることに全力を尽くして、大好きな友達とノリで会ったりして、何より可愛いです、ギャル。
 最近エルフのYouTubeばっかり見てます。めっちゃ可愛い。
 ギャルになってニコニコして大爆笑しまくりたいです。アゲなマインドって羨ましいです。
 
 マインドと決意があれば私だって今からでもギャルになれるとは思いますが、大きな声を出すことを恥ずかしいと思ってしまうし、落語会とかラジオイベントとか行ってめっちゃ目立つのは照れるし(逆に誰かに萌えられるかもだけど)、ギャルの私が可愛いという肯定感と自信がないので無理そうです。
 だから生まれ変わったらギャルになりたいです。
 色々気を使いすぎる自尊心が芽生える前にギャルになって、自分が思う楽しさと可愛さを香水の匂いの如く振り撒きたい。ギャルの友達となんの話しよ、でもそんなこと気にせずとにかく行動するっしょってギャルマインドは絶対に手に入れたい。飛び込んで見りゃどうにかなるっしょの精神ってめちゃくちゃ憧れる。

 

 けれど、節度は持っていたいのです。
 声のボリュームを10がマックスとして、日常会話が5だとするのならば、誰かとラーメン屋に入った時には2か3で話すくらいの節度。ドヤ顔でボディーをSNSに載せないくらいの節度。ある程度よそ様に迷惑をかけないで物事を楽しむ節度。

 あと絶対持ち合わせていたいのは、自分の好きに生きてまっせ我! なドヤを控える節度です。
 そういう生き方のドヤをして、ピンチになった時に文章力なくておバカちんがバレるのが怖い。
 私はめっちゃギャルに向いていない。
 マインド、全然アゲじゃない。

 話は変わりますが、この間の『あちこちオードリー』のアンミカさんポエムの回、超面白かったです。
 ゲストのネガティブなポエムをアンミカさんのスーパーポジティブで返していく、達人にしか思えぬ芸当、どの言葉にも濃度が濃いアンミカさんエキスたっぷりでエゲつなかった。ずっと面白くて、中盤からはアンミカさんの言葉を傾聴する神田愛花さんの顔までなぜか面白い。
 そんでシャワーを浴びながら
 「アンミカさんってなんでこんなに面白いのかしら?」
 と考えました。
 私は“生き方ドヤアレルギー“なところがあるのに、アンミカさんには全然それを感じなくて。
 今までドヤアレルギーを感じた人にあってアンミカさんになかった“何か“とはなんぞやと浴槽に座り込んでシャワーヘッドから漏れた水滴をボーッと眺めましたが一向に答えは出ず。
 着替えてスマホをいじっていても考えてて、シャワーも浴びないままダラダラして、歯磨きをしている時にビビッと、これだ! という自分なりの答えが出ました。
 
 アンミカさんからは、生き方ドヤさんから感じる「尊敬されたい!」が全く匂わなかったのです。
 そんで私はこの「尊敬だけされたい!」って漏れ出る何かのアレルギーなんじゃないかしら、と思いました。
 
 とある落語家さん、舞台袖から高座に向かう時に中腰で歩いてきて、その流れで座布団の上に正座しました。
 その時、めっちゃ嫌でした。
アレルギーがビビビと反応し、「アタクシ芸人でござい」感に、うわっとしました。
 始まったらすごく誰にでもわかりやすいポップな内容で、でもパーソナルが見えなくて、噺自体は上手だったけど、袖に戻る時にちょっとシャクレながら中腰で戻る感じ、またうわっとしました。
 なんだか「芸人でござい感を尊敬されたいっすわー!」が漏れ出てたんだと思います。
 
 けれど、アンミカさんって誰かの背中を「尊敬されたい!」で押してないんです。
「私はこういう風に思うから、こうした方がいいんじゃない?」
 外側は尊敬だけされたい人に類似してるやもですが、アンミカさんの意見って
「自分の中では、これが正しいと思うのよ」
 であって、その意見に対する見解を相手に丸投げしてる潔さがあるんだと思います。
 誰に何かを言われても、自分自身はポジティブでいたいから、信じるか信じないかはアナタ次第よって。楽しんだ方がいいんだから、楽しむためにはこうすれば? って芯から言ってる感じ。
 
 完全にアゲなマインドですよね。
 アンミカさんってギャルです。
 生き方がギャル。
 節度もあるであろうギャル。
 うわ、理想系かもしれない。
 でも別にアンミカさんになりたいわけじゃなくて。
 尊敬されたい感が出ることなく、自分の中の楽しいとか面白いに溢れた毎日にしたい。
 大好きな芸能界の希望に強めのツッコミされたら「ええー」と笑って見つめたい。
 マインドだけは、アンミカさんに近づきたい。
 寝つきが悪いので就寝前に呪文は唱えませんが、唇を閉じて口角を上げることから始めてみようと思います。


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