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起業という旗を立てる人へ(#2) - どれだけ『自分』と『お客様』を考え抜けるのかがポイント

前回は、どんな経緯で『双子』との接点を得たのか、『ふたごじてんしゃ』という素敵なプロジェクトの紹介に、気づけば着地してました。ぼくのブログは、このテーマで書こうと決めるだけで、あとは勝手に指がタイピングしてくれるので、どんな結論になるか予測不能ですw

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今回は、『孤独』というテーマで書こうと、いまは思っています。どんな終着点になるのか、わかりませんがどうぞお付き合いくださいませ。


この人冷静に考えてヤバい

表舞台に立っているシーンは正直見慣れてしまったし、新聞やテレビなどに取り上げられても「またですか?」という感覚になっている自分が。。正直、やってきたこと・叶えたこと・できたこと、どれもこれもスゴイことばかりなので、ぼくが代表して自慢させてもらいますw

日本で唯一の双子が乗せられる幼児同乗3輪自転車の企画・開発

家事と育児と仕事をしながら、社会福祉士の勉強&一発合格

法律変える!ってずっと言い続けて、本当に変わった

令和2年度 自転車活用推進功績者賞

平成30年度 ひょうごクリエイティブグランプリ 産業労働部長賞

主要な新聞・テレビはだいたい取り上げられてる

・・・

もはや書ききることなんてできない。何も知らない第三者目線だとスゲーなって思う。関連する業界界隈の人からすると、キラキラした女性起業家が調子に乗るなよって思っているのかも。

でも、けっこう間近でいろんなこと見てきた自分からすると、なんでこんなに情報って正しく伝わらないんだろうとすごく思う。そして、批判的な人や攻撃的な人の多さ。ほんと、ああいうのを見てるとウンザリする。(羨ましいのか、ひがんでるのかわからんが、そういう人間の思考がほんとうに嫌いだ)

そして、ヤバさというのは、これまでに成し遂げてきたことがヤバいと言っているわけではなくて、そこらへんの批判ばっかりする人間には到底できないことをすでに達成しているにもかかわらず、「まだ自分がやりたいことのちょっとしかできていない」ってよくボヤいていることw

ね、ヤバいでしょ?

いまは、大阪日日新聞で『澪標』という連載企画でコラムを書いていて、それとはまた別に本も出版予定らしい。


みんなが持ってないものを持ってる人

こんな ❝本物❞ と出会えたのはラッキーでしかない。この人のおかげで、いろんなことを体験させてもらえたし、考えも改めさせられたし、本当に巡り合わせに感謝している。

正直、昔の自分は「なんでこんなに何も持っていない人が注目されるんだろう」と思っていた(ような気がする)。出会った当時、東洋経済の『2017年、注目の女性経営者10』に名を連ねていた。まだ、ふたごじてんしゃの販売すら話題にもできない時期だった。

2017年ごろの自分は、「なんで、女性やシニア・学生の起業なんかには支援が手厚くあるのに、30~40代男性のいままさにがんばっている中小企業向けの支援はないんだろう」ってかなりキレてた気がする。

なんか新しいものとか、見た目が良いもの・人ばかりに注目がいく世の中に飽き飽きしていて、昔からずっと変わらず同じものを作り続けて社会に貢献している会社や人間がたくさんいることは見向きもせず、やれコストダウンだの、ひとつでも不良品出ようものならそこだけにフォーカスがあたり、なんでこんなに既製品のモノづくりには冷たい社会なんだろうって思ってた。

まぁ、そんなことを思っていたので、きっとぼくが中原さんに発した言葉はかなり冷たかったに違いない。でも、純粋に「なんでこんなに注目されるの?」って知りたかっただけな気もする。

「みんなが持っていない、とても大切なものを持っていた」からこそ、いまもなお注目され続けているんだろうなって思う。それが前回のブログのテーマにした、『信念』。

双子育児の負の連鎖を断ち切るんだ。
自転車の新しいデザインをつくるんだ。
文化をつくるんだ。


本当に自分が利用したいと思うモノ・サービスなの?

起業・創業支援の仕事をさせてもらっていて、すごくつまらないなって思うものは、手段ばかりが固められている事業。ビジネスモデル・プランは、すごく見栄え良く整えられているんだけど、何か物足りなさを感じる。と思うときにたいていないものが、『その人らしさ』。

「なんで、○○さんはこれをしようと思ったんですか?」って聞けば、だいたいメッキがはがれてくるんだけど、肝心の自分軸がないケースが多い。

結局のところ、ミッション・ビジョン・バリューとかをつくりなさいっていう教えがあるから、それをとりつくろっているだけに過ぎなくて、全部後付け。

それっぽいニーズをネット検索して、自分のできそうなことを手段に置いて、そこから起業塾や創業塾なんかで教わった要素で足りない部分を埋めていく。そんな中身のない事業をやっていて、君たちは楽しいのかい?って思う。

最近の流行りは、誰かと誰かをマッチングして、手数料を取るビジネスですね。「この人もかぁ」って思うことほんとうに多い。

でも、そこで批判ばかりすることが自分の役割ではないので、それが本当に中身のなくてただただお金儲けがしたいだけなのか・それともまだ表現しきれていないのか、を根気強く聞くようにしている。

「自分だったら使いたいと思う?」という質問に、「当たり前やん!」って即答できないビジネスならやめた方が良い。(明確なお客さん・高い技術をすでに持っているなら、そのまま進んでもOK)


誰の・どんな問題を解決するために立ち上がるのか?

前回、少し紹介したアセスメント販売では、「こんな人は使っちゃダメ」「こういう人にしか便利じゃないよ」ってことを、すごく素直に情報公開していて、「買わない」という選択肢を与えている。何度も言うけれど、これは画期的。

返品問題やクレーム対応をした結果、この手法が生まれたのではなくて。販売する1年以上前からこの手法が必要だと中原さんは言い続けていた。(いや、ほんとにスゲーな)

どうしても、自分が考えたモノ・サービスは「いろんな人に利益をもたらすはずだ」と視野がせばまりがちだけど、より冷静に自分のモノ・サービスを分析してほしい。もともと自分は「誰の・どんな問題を解決するために立ち上がったのか?」を自問自答してほしい。

『ふたごじてんしゃ』というネーミングはとてもわかりやすいからこそ、双子を持つママが何も考えずに購入してしまいそう。でも、すべての『双子』家庭に有用なものではないからこそ、そこをキチンと説明するプロセスを作っている。

使い手にとっても、「なんでそれを使おうと思ったの?」と冷静に分析させることで、ほんとうに必要なモノを買ってもらおうとする。それこそが、モノ・サービスを提供する人が、ベースで持つべき考え方であって、どうやって不都合な情報を隠そうかでは、絶対にない。

これから起業・創業を考えている人には、「誰の・どんな問題を解決するために立ち上がるのか?」をずっと心にとめてほしい。


お客さま視点で考え尽くすとルールも大切

もうひとつ学んだとても重要なことは、現状のルールをキチンと理解すること。これも本当に偉いよなって思わせられる。

自転車というモノづくりには規格というものが存在するし、自転車を使うためのルールも存在する。もちろんそれを無視して、作り手も使い手も自由に使おうと思えばできないことはないんだけど、そこにキチンと向き合えるかは、とても大切。

誰も教えてくれないし、誰も知ろうとしない気がするし、自分自身もそういう人間だった。

提供しようとしているモノ・サービスに関わるルールや規格が存在しないのか、特許や権利を侵害していないのか、グレーゾーンではないのか。要は、購入者・利用者に不利益を与えるようなことはしないのか、という点。

自転車って原則は車道を走らなきゃいけないんです。歩道は特例なんです。でも、子供乗せてたら歩道を走れるようにしたいじゃないですか。歩道を走れる自転車は、普通自転車という規格をクリアした自転車だけなんです。だから、『ふたごじてんしゃ』は普通自転車の規格に準じているんです。

そこを無視すれば、もっと自由な発想でモノづくりもできるし、もしかしたら製品上より安全なものもできるかもしれない。でも、日本の現行ルールと製品規格を熟知して、最適解を出したのが現モデルです。

過去に自転車の安全性を考えたいろんな人にも敬意を表しているし、何よりも自転車に乗るママ・子供のことをとても考え尽くしている。

こんなに、想いや考えがこもっている製品をぼくはあまり知らない。でも、きっとたくさんいい製品があるんだろうなって。自分がまだまだ知らないだけで。


長々とお付き合いありがとうございます。

ぼくが起業・創業支援に関わるために大切なものは、ほとんどが中原さんから学んだものです。自分の経験・ノウハウで相談に乗ってしまいがちな○○支援ですが、ぼくはそういう風になりたくないって、はっきり言える。

自分に発想できないものがたくさん社会に出てきた方が面白いと思うし、何よりもその人だからこそできることはいろいろあると思う。一般常識や過去事例だけを眺めて、批評するような人間にはなりたくない。

もちろん、支援・相談を受けていく中で、なんでもかんでも「やってみたらいい」と無責任なことは言えないけれど、「できない」「無理」といったことは言い切れない。

だって、誰が『ふたごじてんしゃ』生産・販売できるって想像できましたか?

いまこの世にないモノ・サービスを産み出すのが起業の醍醐味なんだとしたら、起業支援する人が絶対にやっちゃいけないことは、「いまこの世にないありえないモノ・サービス・アイデア」を否定すること。

孤独になりがちな起業家・経営者から相談を受けるからこそ、その人の考え方を100%理解できるように努めたい。自分の知識力・アイデア力不足から逃げない。そんなことを考えながら、起業・創業支援の仕事に従事しています。

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