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2021年1月の記事一覧
is a Secret
「神様に愛された少女」
概念的にはそんな風に呼ばれているんだわ。きっと。私には、わからないけど。
本当に“神様”という存在がいるのだとしたら、私はそれを肯定する。この憎しみが、確かにここに存在しているのだから。
貴方に愛されたばっかりに、私の望みはひとつだって手に入らないのよ。この世でいちばん偉い場所(ところ)にいる貴方の瞳に映る間は、私は「神様に愛された少女」でいなくてはいけなかった
1.白妙菊【しろたえぎく】
白い息が絶えるみたいに、
穏やかになっていく貴方の、
その色が消えるまで隣に。
冬は世界が眠いっていて、私達も生命力を低下させる。
寒い。
自らの両腕でこの身を包んでは、そう呟くのだろう。
それでも私は、夏を恋しく思うことはなかった。夏が嫌いだった。
ここは静かだ。
空気が澄んでいる。真っ白な雪が灰色になってもまた塗り替えられて、いつの間にか白銀となったこの世界に、色も音も