![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/141112754/rectangle_large_type_2_95a74fdc6e773afbc756697675ecf608.jpeg?width=800)
12時の調
12時の調が鼻を打つ
陀仏川の流れに乗り
風船のやうな膨らみを蓄えた音色は
白山の稜線に反響し
わが肺腑に共鳴す
時限と空間、輪廻を超えた調は
かつての景色、香り、情景を内包し
決まって12時きっかりに
風とともに舞い降りる
われ老いたり、されど童心ここにあり
われに同心おらじとて、森羅万象
名も知らぬ遠き島より流れ来る
ひとつの青い実と同身なり
無限の時が刻まれて
廻り廻った今日この日にも
12時の調べが流るるとき
われは森羅万象と化す
第2部「22:00の子守歌」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?