見出し画像

22:00の子守歌

三熊の山から子守唄
電信柱にこぼれ出る

小桶の中にて聞こえゆる
滴り落ちゆく露の音

湿った音色は万物の
眠りと終わりを導きて
洲の本におはす父君へ
陽月漸移を報告す

何も知らない者たちは
平々凡々一本道

何も知らない稚児の胸
白雪のごとき切符あり

どこへでも、いつまでも
忘るるな、忘るるな

今宵もまもなく22:00

ねんねんころりよ
おころりよ

坊やはよい子だ
ねんねしな

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?