ウヒョ助日本全国歩き旅 (第4回:品川〜川崎)

自宅から歩き出した、ダイエット散歩。

いっぱい歩いて、見たことない景色を楽しんで。疲れたら適当な最寄駅でゴール、電車に乗って自宅に帰る。そしてまた休日に、電車でその場所に戻り、散歩の続きをする。

そんなこんなで、品川まで歩いてきた漫画家42歳。


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早朝の品川駅に降り立ち、運河沿いに歩き出し。

特にスマホなどで地図は見ることはしない。気分だけで進む道を選び、面白そうな物があれば、しばし観察。そんなこんなで、たまたまたどり着いた場所は…


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無人の大井競馬場。

まだ朝日が真横から差す時間。馬券なども買えませぬ。あちこちのフェンスから馬のように首を伸ばし、ウマの姿を探すもネコ一匹おらず。ネコくらいは見たかった。わしはそのネコに、マチカネイワシミズと名付けてあげるのに。

さらに面白い物はないかと南下を続け。

やっと見つけた、東京を代表する観光スポット。


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鈴ヶ森刑場跡。

江戸時代にたくさんの方が、ここで首を洗ったそうで。何で洗ったかは知らない。さわやかな早朝にここを見学してるオジサンは、外から見ればサイコパスっぽいので。さっさと通過。

南へと向かっているであろう、京急の赤い電車を追い続け。

大田区に突入。


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いきなり道がゴミだらけ。わざと汚そうとしてるとしか思えない。出勤時間が近づいたのか、通行人が歩道にチラホラ現れ始めたが。まあ歩きタバコの人がそこそこ多く。ひどい時は前後をスモーカーにはさまれ。いっそ、わしも吸ってやろうかなと思ったが、そこは我慢。

喫煙所を探す。


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灰皿を発見。

こういうタバコ屋さん大好き。のんびり吸えるよう、ベンチまでご用意してくださっている。休憩代のつもりで缶ジュースを買い、悠々と一服。


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道路の先に大きな橋のようなものが見えている。もしかして多摩川を渡る橋ではないだろうか?

多摩川を越えれば、そうだ。

そこはもう神奈川県だ。


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向こう岸に見える川崎市街。いかにも大都会の景観。

なかなかバイオレンスな香りがする街であると、噂では聞いている。でも実際この目で見てみないとわからない。意外と爽やかで健康的な街かもしれない。噂なんていつも大げさじゃ。


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神奈川県に突入! さらばお江戸!

せっかくだから、そのまま河川敷に降りてみる。神奈川県から自分が住む東京を眺めてみたい。県境を越えるのは、ちょっとした達成感がある。


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……待て、誰かが住んでおるぞ。

傘や衣服が干してあり、ありありと生活臭が。とりあえず期待する爽やかさは川崎には無さそうだな。街に入る前に気づかされた。

いいんだよな、ここ通って。 近づいて叱られないかしら?

挨拶すれば大丈夫かな。

あ、誰かおる。


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わしに背中を見せ、電車を眺めておる方がいらっしゃった。おそらく、ここのヌシだろう。ご挨拶をせねばならない。


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お名前は、マチカネイワシミズさん。

奥さんもそばにいたので、一緒にご挨拶する。


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……てか、川崎やべえな。野生のニワトリがいるのかよ。

川の方から、ベベベベベベッ!と、大きい音がしたので目をやると。


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水上スキーをしてる人。

3月の朝っぱらから。寒いだろうに。川崎すげえな。

急に不安になり東京に帰りたくなってきたが、もう少し先には有名な国際都市、横浜シティがあるはずだ。

横浜。

わしは旭川育ちの生粋の道産子だと、得意げに地元トーク。北海道出身の漫画家の顔で、42年も生きてきたが。

すまん。実は…横浜生まれだ。

記憶にまったくないが、横浜は保土ヶ谷の病院で生まれておる。

おう、ハマッ子じゃ。悪かった。どんなに道産子を気取っても、わしの耳の裏側からプンプン漂う、加齢臭と都会生まれの香りは隠せなかったようだ。

そうじゃ、このまま歩いて見にいこう。わしの生まれた街を!

(つづく)

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