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1人の男性がエンジニアになるまで〜ウホーイの場合〜(後編)

ウホーイ(@the_uhooi)です。

この記事は以下の後編です。前編から読んでいただけると、より楽しめる構成になっています。

前編を読んでいない人向けに、前編のあらすじを載せます。

大学時代にバイトを始めたのは、コミュ障改善ではなくお金が欲しかったためですが、結果的に改善したのでだいたい合っていますw

就活(続き)

内定が1つもない状態で迎えた大学4年生の7月、私は大学の合同説明会に参加しました。
10社ほどいた中で、システムエンジニア(以下「SE」と呼ぶ)を募集していた会社は2社(のはず)だったので、両社にお話を伺いました。

1社は50代くらいの男性の方で、かっちりした印象を受けました。話の内容はほぼ忘れましたが、基本情報や応用情報などIPAの資格を持っていると給与が上がるシステムだったのは覚えています。

もう1社は20代の男性で、最初の一言が「君、佐藤健に似てるね。可愛いね」でした。私は「こいつはヤバい」と感じました。(のちに全然ヤバくないと知ります)
ただ人事が面白いと会社全体も面白い可能性があります。話を聞いてみたところ、ちゃんとした会社で、創立から約30年間ずっと黒字であることがわかりました。
私は採用に進むことを決めました。

ES(エントリーシート)が通り、1次面接も通り、社長との最終面接が無事に終わりました。
最終面接の帰り道、乗換駅のホームで待っていると電話が鳴り、ドキドキしながら出ると、なんと内定の連絡でした。当日に頂けるとは思っていなかったので驚きました。8年前に新木場駅のホームでニヤニヤしながら電話している人がいたら私です

内定

SEとして内定を頂きましたが、まだ何もできないのでエンジニアとはとても呼べません。
内定者研修として、入社するまでに月1回ほど土曜日を使って1個上の先輩に教えてもらいました。内容はC#の基礎で、StringやIntなどの型や変数の宣言方法、配列などを学びました。
主にWindowsのデスクトップアプリを開発している会社なので、Windows Formsを使った簡単なアプリの作り方も教わりました。

新卒研修

新卒入社後、4月から6月中旬まで新卒研修がありました。新卒の同期が4人と少ないため、大手の他社の新卒研修に混ぜてもらっていました。

最初にビジネスマナー研修があり、電話やメールの応対方法や、名刺の渡し方などを学びました。こちらで学んだことは、社会人としてコミュニケーションを取る上で今でも活きています。

次にメインのプログラミング研修です。C言語とJavaを学びました。C言語でポインタなどの概念に触れ、Javaではオブジェクト指向の概念に触れました。
難しかったですが、積極的に講師へ質問し、極力わからないことを残さないようにしていました。

まったくのプログラミング初心者で、当たり前ですが社会人としても未熟なので、研修がしっかりした会社に新卒で入社できてよかったと思っています。

新卒1年目

新卒研修が終わり、ついにSEとして配属されました。配属先は電子薬歴という薬剤師さんが業務で使うシステムを開発しているチームでした。BtoBのWindowsデスクトップアプリ開発です。

最初に与えられたタスクは「要求仕様が決まっている画面のデザインを作ってほしい」でした。同じチームに配属された同期と一緒に、他の画面を見てできる限り見た目や使い勝手が似たような画面を作成して提出したところ、そのまま採用されました。私はもっと手直しが入ると思っていたので、自分の考えた画面がそのままリリースされる責任に圧されました。

私の記事までたどり着く人はお気づきだと思いますが、これは完全にデザイナーの仕事です。業界の知識がなかった私は、なんの違和感もなく作業していました。
会社にはデザイナーがおらず、自分たちでデザインを考えるのが当たり前でした。

他のタスクは、システムの機能を覚えるのを兼ねた運用テストがありました。膨大な数の設定があるシステムだったので、この段階ではとてもすべての機能や設定を覚えきれませんでした。

私はブラインドタッチができず、「Ctrl + S で保存」などのショートカットキーは存在すら知らなかったので、新卒1年目はWindows PCの使い方を覚える1年でもありました。
先輩に「エクスプローラを開いて」と言われてInternet Explorerを開いたりしていました。ちなみにこの先輩は私がわからないだろうと知った上でいじってきていますw

新卒2〜4年目

社員のほとんどがSEという幅広い括りで雇われており、分野ごとに雇われていないため、プログラミング以外に様々なことを行いました。
 ・新サービスや新機能の企画
 ・要求仕様
 ・画面デザイン
 ・基本設計
 ・詳細設計
 ・結合テスト
 ・総合テスト
 ・客先へのヒアリング
 ・客先へのシステム導入・立会
 ・客先への不具合対応

大きな会社だとここまで多くのことをやらせてもらえないと思うので、とてもいい経験になりました。そのおかげで自分が特にやりたいことが見えてきたり、逆にどれもやりたくて迷ったりと、いろいろ考えました。
もちろんプログラミングは楽しかったですが、導入先のお客さんにヒアリングして新機能を企画するのも楽しかったですし(デザインや開発も自分で担当し、実際にリリースされたときは本当に嬉しかった!)、単純にお客さんとコミュニケーションを取るのも楽しかったです。

iOSアプリ開発

新卒2年目のときですが、私が担当しているシステムのiPad版を開発することになりました。もともとモバイルアプリの開発に興味があり、面白そうなので率先して手を挙げたら、開発メンバーに選んでもらえました。
振り返ると、ここが今の自分を作り上げた転機でした。iOSアプリの開発経験は社員の誰もなく、メインの開発は業務委託の人にお任せしていましたが、楽しかったです。

結婚…していた

積極的に言うことではないので知らない人のほうが多いはずですが、私は結婚と離婚を経験しています。いわゆるバツイチです。
私の価値観として「30歳までに結婚して妻と子どもと楽しく暮らす」ことが人生の幸せだと考えていたので、人生が終わったと思いました。
もう30歳になりましたが、結婚して妻と子どもと過ごすことが人生の幸せという考えは変わっていません。しかし、結婚に対して恐怖心を抱いてしまったので、私が思う「人生の幸せ」までたどり着けるかはわかりません。

私は楽観的な性格であることもあり、25歳くらいまでストレスが溜まったことがほぼありませんでした。「ストレスが溜まりにくい」のは実際に合っていると思います。
ストレスが溜まらなかったので気づかなかったのですが、私はどうやら「一度ストレスが溜まると発散しにくい」ようです。離婚時によるストレスは、今も自分の中に残っているような気がします。

転職

結婚生活が終わって思ったことは「第二の人生だと思って自分が好きなことを本気でやってみたい」でした。私は今まで何かに本気で取り組んだことがほぼなく、例えば部活の大会で負けて泣いている人を見て、頑張った結果悔しくて泣けることが羨ましいと思っていました。
独り身になって仕事以外の時間をすべて自分のために使えるようになったのと、大学時代に数学を諦めた後悔から、楽しいと感じているプログラミングを本気でやってみようと考えました。

新卒で入社した会社は社員数が約100人で、全員がお互いの顔と名前をフルネームで知っているほどアットホームでした。居心地がいいので5年半ほどいましたが、プログラミングが本気でできる環境ではありませんでした。
2018年の当時、私の開発における環境は以下でした。
 ・VSSまたはSVNを使っていて、Gitを使っていない
 ・C#でLINQ禁止(難しくてわからない人がいるため)
 ・MVCなどのアーキテクチャという概念を知っている人が周りにいない
 ・iOSアプリ開発でSwiftを提案しても採用されない

他にも「BtoCでユーザー数が多いサービスに関わってみたい」などの理由により、転職を決意しました。
iOSアプリ開発の経験が活きたのか、新卒の就活時とは比べ物にならないほど選考が進み、転職活動はあっという間に終わりました。

2社目(現職)の初担当サービス

内定時にBtoCで大規模なサービスに関われることを約束してもらっていたので、その通りになりました。iOSアプリ開発の担当となり、コードはすべてSwiftでObjective-Cは一切なく、VIPERというしっかりしたアーキテクチャで組まれており、単体テストも2,000ケース以上ありました。

私はSwiftはおろかAuto LayoutやStoryboardすらまともに触ったことがなく、アプリからREST APIを実行したこともありませんでした。そのため最初の2ヶ月くらいはプロジェクトにアサインしてもらえず、ひたすら自習してそれらの知識を付けることに専念しました。その結果、最低限の開発はできるようになり、プロジェクトにアサインしてもらいました。

それから約1年担当し、その間に機能開発や不具合修正はもちろん、リントツール(SwiftLint)やUIテストの導入、CI環境の構築も行いました。
技術力のないまま28歳となった私は、今までと違った環境で活躍できるか不安でしたが、多少は戦力になれたはずであり、この実績は「私も頑張れば大規模なサービスでも活躍できるんだ」ということを教えてくれました。

Connpassとの出会い

転職して2ヶ月後の2019年1月、同じチームの同僚にConnpassというIT勉強会を探せるサービスを教えてもらいました。
これこそ私が「ウホーイ」になる転機でした。私はそれまで勉強会が各地で開催されていることを知りませんでした。参加が無料な上に軽食やドリンクが出るというのでめちゃくちゃ怪しいと思いました(すみませんw)が、行ってみることにしました。

行ってみて怪しくないことはすぐにわかりました。ただすでに仲のいい人たちでグループができており、その輪に入れませんでした。
仲良くなるには登壇して覚えてもらうのがいいと考えました。登壇者はほぼ全員有名な本の作者だったりして、Swift歴数ヶ月の私が登壇してもいいかわからなかったので、あえて自ら初心者とは言わず(言えず)に発表しました。

それから毎週のように勉強会へ参加し、徐々にiOSアプリエンジニアの知り合いが増えていきました。それこそ有名な本の作者さんも話してくれ、当たり前ですがすごい人も1人の人間であることは自分と何ら変わらないんだと思いました。

2019年の1年間で、数えられないほどのエンジニアさんと知り合え、コロナ禍の今でもいろいろな人がSNSで絡んでくれるのも、このときの貯金だと感じています。

今後

昨年で30歳になったこともあり、キャリアに悩んでいます。
直近ではまだまだプログラミングしたいのですが、他にもやりたいことがあるような気がしています。iOSアプリ開発以外にも、AndroidアプリやWebサービスの開発にも興味が出てきました。

なのでいろいろな人のやってきたことや、これからしたいことなどを伺ってみたいです。ぜひカジュアルにお話ししてください!(「カジュアル」という言葉に他意はないのでご注意ください)

おわりに

いかがでしたか?
私の自分語りが参考になるかわかりませんが、誰かひとりでも、ほんの少しでも、何かのきっかけになれば嬉しいです。

本日(2021/01/31)の21時からClubhouseで自分語りをしてみようと思うので、もし興味がある方はご参加ください!
↑終了しました。3時間も話してしまった…。聴いてくださったみなさまありがとうございました!