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誰の結婚も祝う気になれない

世間はコロナで自粛しているはずなのに、結婚報告が跡を絶たない。特に今週は水樹奈々と花澤香菜(小野賢章)が相次いで結婚を報告し、津田健次郎も家庭持ちであることが判明した。

姫呂はまったく祝う気になれない。それどころか結婚報告を目にすると精神が傷つく。これは別に、上記の人々のファンだからというわけではない。もはや誰の結婚報告でも聞きたくないのだ。

誰かを祝福する余裕などない。SNS上で「いいね」を押すだけならまだしも、結婚式に出席するなどもってのほかだ。親族でさえも例外ではない。

いったいどうして、苦しみだけの人生を送っているのに、他人を祝福できるというのだ?

想像してみてほしい。強制収容所に入れられた人間が、外で誰かが結婚したときいて喜ぶだろうか? 誰かの幸せに励まされたりするだろうか? むしろ惨めな気分になるだけだろう。自分にはもうそのような幸福は訪れないのだから……。

精神障害者は、傍目には自由に外を出歩いているように見えるが、実際には囚人と変わらない。幸福から遠ざけられ、「ままならぬ肉体」という牢獄に囚われている。唯一できるのは、いつかやってくる死を先延ばしにすることだけだ。

もはや人々の存在こそが自分を追い詰めているようにさえ思えてくる。あらゆる人間から距離を置けたら、少しはましになるのだろうか……。

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