「ドライブ・マイ・カー」ほか
最近映画を観なさすぎて駄目だな(感性が鈍る気がするので)と思ったので、ここ二週間ほどは躍起になって映画館へ足を運んだ。
とはいえ全部で4本。そこまで躍起になった感じでもないな……。
なぜかやたらとスクリーン9に当たっている。
ネタバレはなるべくしないつもりだが、観る予定があるなら読み飛ばしてください。
「東京リベンジャーズ」
まったく観る予定はなかったのだが、とにかく何か映画をみようと思って、時間が合ったので券を購入。ヤンキータイムループものという情報だけ得ていたので暴力と流血が多いことにやや驚いたが、爽やかな終わり方だったし、気持ちがよかった。実写映画を先に観て原作の漫画にあたると大抵映画の中で疑問に感じた部分が解決するのだが、今作もそんな気配がする。個人的に一番気になったのは直人というキャラクターが主人公に放つ少々狂気じみた台詞であった。
「竜とそばかすの姫」
よくよく考えたら細田作品を映画館で観たのは初めてかもしれない。
なんだかんだでいままでタイミングが合わなかったのだ。
前評判で、「曲と映像は良いが、後半が……」というのをやたら読んでしまっていたので、何が来るのか序盤からハラハラしてしまった。
構えすぎた結果、思ったより良い話じゃん? などと偉そうに考えてしまった。何が悪いのかわからず検索したほどである。
そこで、改めて他人のネタバレ感想を読んだのだが、確かに変だよなと彼らの納得いかない点を理解した。
どこか出典でもあるのかってくらいに何度も「監督の倫理観」「脚本がヤバい」という言葉を人の感想にみて、とても違和感を感じた。
わたしもよく監督の話ばかりしてしまうので人のことは言えないのだが、この作品はファンタジーだし、ファンタジー的決着は物語の中でついた。と、それで納得できないものか……いやごめんできないよね、半分リアルが混ざっていてさらに社会問題的なトピックまで取り上げてますもんね。
現代のファンタジーは難儀であるなあと思ったのであった。
「Fishmans」
仮にもバンドマンの端くれであるのでバンドのことや数曲は知っていたが、それくらいの予備知識で乗り込んだ。ドキュメンタリーは好きなのだが、疲れもあり自分の現在の精神状態もあり、与えれた負担はかなり大きかった。
才能のあるひとが若くで亡くなるというのはそれだけで物語になってしまうと感じる。でもそれは先述の映画と違ってファンタジーではないので、周りにいた人にとってはそれまでもそこからも続いていく日常なのだ。その一部分を切り取られる予定でもなかったはずなのに、一本の映画になることは辛いことに思える。ただ、確かにあった「素敵な時間」や「複雑な思い」をこうやって我々に伝えてくださったのは本当にありがたいことだと感じた。
「ドライブ・マイ・カー」
本日観たばかりのこの映画が今回の4本では一等お気に入りである。
こちらも原作、前情報なしで乗り込んだのだが、とても良かった。なーんか長いと思ったら3時間ほどの上映時間であったとのこと。どおりで。
そもそも劇中劇というものに弱いので、全体に流れる台本の台詞にワクワクした。登場人物の気持ち、わからない言語、抽象的なようでいて意外とストレートなモチーフ。やや説明的すぎると感じる後半の雪景色のシーンも、映画の尺自体が長いせいかそこまでうるさくはない。美しい画がいくつもあって良かった。
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