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R5.12.5 ピンドラを見た
イクニ作品はこれで3作品目。
「ウテナ」と『ユリ熊嵐』を見たあとに、ついに「ピンドラ」。
ここまでは性に関する規範について言及するところが多い作品だった。女性性男性性、グロい社会構造……ヘテロセクシャルとホモセクシャルの内と外、放出していくような話。
これら2つの作品は百合作品のひとつとして扱われることも多いが、この「ピンドラ」ではそうではない。
この作品のテーマは「愛」。
愛を知らぬ子供たちに「愛されたい」という欲求が芽生えるのだろうか。愛を知らぬ子供は人を「愛せる」のか。
主人公らの擬似的な家族は、それでも家族だった。
そこには愛があって、愛が巡っていた。
しかし、それらを破壊しようとする呪いがあった。
家族の呪い。縦の力が呪いだ。
愛は横方向へと広がっていくもの。
縦の呪いを否定するために、「愛している」と、家族の外側へと向おう。
苹果ちゃん……
僕は苹果ちゃんが大好きなんだあっ!
晶馬くんはそんなこと言わないよね。わかっているよ。
苹果ちゃんは晶馬くんのストーカー。一生追い掛ける、愛。
晶馬や冠馬と陽毬の家族は呪いによって崩壊しようとしている。それでも、外側にいる苹果ちゃんは、傷付いた晶馬の前に座り、晶馬に生きていてほしいと訴えかける。なぜか。「だから私のためにいてほしい」
相互献身的な愛がここにう見られようか。
苹果ちゃんの純愛は、その方向性が間違えていなげれば、尊いものだったんだ。
だから最後、冠馬と晶馬は、林檎を二人に託せたんだと思う。家族という軛の外側で生きるための、リンゴ。
家族という呪いの外側に出た、2人の世界はもっと自由に。林檎を貰ったから、だから始まる物語。
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