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学生FDとは?[学生FD入門講座Ⅰ]
〇はじめに〇
ここから数回に分けて、「学生FD」という”概念?”についての考えを紹介させて頂きます。
ざっくりと、または、最大公約数的に言っていいのであれば、「学生FDとは、大学教育の改善を目的として、学生が教員と協力する形で活動を行うことである」と、なんとなくは説明できます。
(組織改善を表すFaculty Developmentの頭に学生がついてるわけですからね。)
ただし、「学生FDとはなにか?」という問いに対して共通の見解は、私が知る限り未だ存在していません。
したがって、どうしても私の考えがかなり入り込んだ紹介になってしまうため、正直に「紹介」ではなく、「考えを紹介」させて頂くと申し上げた次第です。
〇学生FDの興り〇
さて、そもそも「学生が大学教育の改善を目指す」という、一見すると常識外れな動きはどのように起こったのでしょうか?
(普通に考えて、教育の改善って教員の仕事ですからね。)
私が知る限り、その源流は2系統に分かれます。
1つは、大学教育の問題に対して、不満や改善案を持った学生が、自ら動き出したパターン
1つは、教員だけでは大学教育の問題がどうにも解決できないと悟り、教員側が学生の教育改革への参加を求めたパターン
です。
このような活動の萌芽が、明確にわかるだけでも20年近く前から存在しており、現在100近い(厳密な数のカウントは難しいが、もう超えたかもしれない)日本の大学に存在する、「教育改善のために活動する学生組織」に引き継がれているのです。
〇学生FDはどんな活動をするのか〇
学生FDの活動は、現在かなりバリエーションの広いものとなっています。
学生FDはこれこれこういう範囲の活動であると定義しようという動きもあるようですが、今回は広い意味で学生FDを捉えて、いくつか紹介させて頂きます。
〇学内向けor学外向けの教育を考えるイベントの開催
☞教育について自由に学生と教職員が話せる場を作るとともに、大学教育改善を重視する風土づくりができる。
〇大学生活に有用な情報の集約と発信
☞例えば、ゼミ選びの前の研究室紹介資料を学生の手で作成したりする。学生が情報に基づいて、自分に合った学びの場を選ぶことができる。
〇教員紹介資料の作成
☞呼び名「教員図鑑」については賛否あるが、学生目線で教員を紹介する冊子を作成することで、教員と学生の距離感を小さなものにする効果が期待できる。
〇他の学生のお困りサポート
☞履修登録の方法から、授業で分からなかった部分の学修のサポートまで多岐にわたる。近い目線の学生から分かりやすく教えてもらうことができる。
〇大学に対する様々な提言を行う
☞ある程度パブリックな立ち位置で学生FDを展開する大学であれば、大学の教育システムその他に対して提言を行う機会がある場合もある(まあ、提言の場は学長との食事会かもしれないが……)。
〇講義を改善する支援を行う
☞行っている大学はかなり限られる(興味があれば芝浦工業大学or帝京大学+SCOTで検索してみてください)が、学生がコンサル的な立場で教員の授業改善を支援するシステムを持った大学もある。
と、私がとりあえず代表的だと思ったものを挙げましたが、このほかにもいろいろな取り組みが、日本中の大学で花開いています。
〇組織形態〇
多くの学生FD組織の実態は、10名程度の学生と、彼ら彼女らを支援する1,2名程度の教員である場合が多いです。
これがサークルとして活動している場合もあれば、タグなしの有志団体として動いている場合もあります。
一部の大学では、大学の組織構造に正式に組み込まれていたりもしますが、この形態はかなりレアであるといっても差し支えないでしょう。
〇講座Ⅰのまとめ〇
〇学生FDとは、ざっくり言えば大学教育の改善を目的として、学生が教員と協力する形で活動を行うこと。
〇学生FDの定義はかなりあやふやだが、その分活動のバリエーションはとても広い。
〇10名程度の学生有志と、1,2人の教職員で活動する組織が多い。
〇サークルのこともあれば草の根組織の場合もある。時々公式なこともある。
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