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授業評価アンケートを機能させるには

〇授業評価アンケートとは〇

おそらく、学生であれ教員であれ職員であれ、「授業評価アンケート」と聞くと、「めんどくさいなぁ」という思いとともに「ああ、あれね」と思うのではないでしょうか。

そう、多くは講義終了時点にとられる、”講義改善のため”のアンケートですね。

ただきっと、多くの大学では、「授業評価アンケートって意味なくね?」と思っている人が多いのではないでしょうか?それは、学生も教員も職員も。

〇「授業評価アンケート意味なくね?」となる理由〇

授業評価アンケートが無意味に感じるのは、学生・大学間に存在する負のサイクルによります。

というのも、どちらが先かは分かりませんが

学生がアンケートをてきとーに回答する

➡データの信憑性が低下し、大学がアンケート結果を改善に利用しなくなる

➡学生が「アンケートに何言っても無駄じゃん」と思う

➡学生がアンケートをてきとーに回答する(これで最初に戻る)

と、学生にとっては適切にアンケートに回答する気になれず

一方大学側としては、アンケートに基づいた改善を行う気になれず

結果、授業評価アンケートだけがカラ回るという結果が招かれるのです。

〇授業評価アンケートを正常化させる方法その1〇

ではここから、このような状況をどうしたら打開できるのかについてご紹介したいと思います。ご紹介なので、私が思いついたものではなく、すでに行われているものですが……

1つ目の方法は、大学の電光掲示板等を用いて、授業評価アンケートの結果とこれに対する教員(大学)側の対応について分かりやすく掲示することです。(意図したものではないと思いたいのですが、授業評価アンケートの結果を公表している大学の多くは、なぜかわざと、結果を見にくくHPに載せているように感じるのですよね……。)

これによって、例えば授業評価アンケートで低かった項目に来年度からどう対応しようとしているのか、記述で指摘された課題をどう解決しようと考えているのかが学生に伝わります。(また、共有されると分かると、学生もアンケートに変な答えを書きにくくなります。)

加えて、教員(大学)側からすれば、来年度はこういう対応をとると明言してしまうことになるため、来年度は実際にそのように努力しないと、学生から白い目で見られることになります。

〇授業評価アンケートを正常化させる方法その2〇

2つ目の方法は、授業評価アンケートを学期末(全講義が終わった後)ではなく、中間で実施するというものです。

従来の、すべてが終わってからアンケートを取るという方法は、学生にとってはアンケートに書いたことが自分のメリットに還元されず(だって、もうその講義は受け終えているわけですから)、教員にとってはすぐに実践できない(だって、その講義をするのは1年後のはずです)という致命的な欠点を抱えています。

しかし、中間地点で授業評価アンケートを実施したなら、学生からすれば自分が受ける授業の後半部分のクオリティーが良くなるかもしれないというモチベーションを持って授業評価アンケートの回答に向かうことができます。教員サイドにとっても、アンケートに書かれた改善点の中には、全部とは言わないまでも、明日から取り組めることは多いはずです。

……まあ、これをするには、きちんとアンケートの回答者を匿名化するなど、アンケートへの回答が成績に影響しないということをきちんと保証しないといけませんけどね。

〇まとめにかえて〇

以上の2つは、授業評価アンケートの実施形態として特に優れているのではないか?と思ったものなので、紹介させて頂きました。

私が教育学部にいたことは、「学生が講義を評価するとは何事か」「授業評価アンケートを実施すること自体が非常識だ」と言われていたので、学生が思った問題点を安全に提案できる、いい時代になったなぁと思いつつ。

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