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大学教員に「教員免許がいらない!」ってホント?[学生FD入門講座Ⅳ]

〇まずは結論です〇
 

Question:大学教員に「教員免許がいらない!」ってホント?

Answer:ホントです。少なくとも、今日の日本においては。

 

〇もう一度、大学設置基準〇
 

今回も前回同様、大学設置基準を資料として進めさせて頂きたいと思います。

大学において教員とは、教授、准教授、講師、助教が該当します。

そして、大学設置基準には、これらになるためには……

「~~~かつ、大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者」

である必要があると書かれています。

※~~~の部分は、教授、准教授、講師、助教で異なりますが、そのあとは共通です。

 ご覧のように、教員免許という文字は出てきません。

実際には、各大学が採用を行う際、模擬授業を行わせるなどして「教育上の能力を有する」かどうかを確認しています。

これで十分という意見もある一方で(教育の体系的なトレーニングを受けていなくても、とても熱心かつ上手に教育をしてくださる先生方もたくさんおられます)、確かに教員免許状を持つ幼稚園~高校の先生のように、体系的に”教育”についてトレーニングを受けていなくても大学教員になれるシステムであることもまた事実です。

 

〇故のFD(Faculty Development)〇
 

では、大学教員が教育についてトレーニングを受ける場がないのかと言えば、それは大学教員になった後に設けられています。

FDとか、FD研修と呼ばれるものがそれで、どのように教育を行ったらよいのかについて学ぶ場です。

しかし、FD、FD研修は未だに発展途上な部分が多く、幼稚園~高校のような教員免許状を取得するための教育レベルまで追いついていないこともまた事実だと聞いています(もっとも、相手は大学生、いわば大人なので、そこまでのものが必要なのかという疑問もあります)。

 

〇先生方も、実は大変〇
 

 ときに、「この講義、わからん!」とむしゃくしゃする思いを抱くことも、大学生ならあるでしょう。

しかし、先生方の多くは、かっちりとした教育のトレーニングを受けておらず、さらには研究その他に忙殺される中で、なんとか講義を作ってくださっていることも、また事実なのです。

我々だって、まったく習ってないことをいきなりやれって言われてもこまるじゃないですか。

ですので、講義を聞くときは、先生方への感謝と思いやりは、忘れてはならないと思うのです。

 

〇学生FDに関わる学生へ〇
 

私は、学生FDに関わり始めたころ、正直にいって先生方に不満ばかりでした。

自分が教育学を専門にしていたことも災いしたと思います。

しかし、よく考えると、先生方も困っているのです。

そう考えると、先生方と同じ側に立って、一緒に悩もうかな?と思えてきませんか?

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