見出し画像

今でも

私には追いかけたバンドがいた 。

ツアーもツアーの追加公演も全通した 、月のライブ予定のほぼ全部通ったりもした 。

だんだんライブに行くのが苦しくて 、怖くなった 。

今思うと " 私が弱かった " それだけの事でライブに行けなくなってしまった 。


あの頃の私は彼らに生かされてた 。彼らのライブがあるから生きていたし 、仕事だって頑張れた 。彼らにいい報告がしたくて仕事を見つけたし 、髪だって染めたし 、働き始めた 。
彼らのライブは 、キラキラしている 。私の世界に色をつけてくれていたんだ 。あの時間があればなんだって出来る気がしてた 。


ライブハウス以外で会う友だちも出来た 。隣で同じ位置で何度もライブを見た 。彼女たちに会うことも私の楽しみになってた 。
けど、私は頑張りすぎていたみたい 。


映画を友だちと(家族でさえも)隣で見るのが苦手な私 、多くの友だちと集まるのが苦手な私 、気ぃ使いで場を気にしてしまう私 、とか 、あげたらキリがない色んな私の全てが裏目に出た 。


楽しかったはずのそれが楽しみではなくなったし 、むしろ苦痛になっていた 。1人で見るようになった彼らのライブはどこかその場にいる今までの友だちたちからの疎外感を感じるようになってしまった 。本当は1人で見るのが好きなのに気を使っていた事にも気がついてしまったし 、友だちを集めてわいわいするタイプでもなかったことを思い知った 。

一人暮らし3年目の冬 、卒業してどうすることもなくなって 、勝手に縋って取り繕っていた私だったのだろうなと今は思う 。きっと寂しさを埋めるために頑張っていた 。けど 、そんな仮面はいつか割れてしまう 。


だいすきな彼の前で 、ヒビだらけの仮面は割れた 。
ライブが終わって物販 。普段あんまり立たない彼が物販にいた 。姿を見ただけで涙が止まらなかった 。泣いて何も伝えられなくて申し訳なかったなと思う 。
涙で何も話せない私に 、彼は

「どうした?頑張りすぎた?」

と声をかけた 。忘れもしない言葉 。
(図星すぎて余計涙止まらなかった)
私が頑張りすぎてしまっていたことに気づいていた彼が 、私はやっぱり好きだなと思う 。音楽を通して 、ライブを通して救ってくれていたなと思う 。いちファンの私にそんな言葉をかけられる彼は素敵だ 。私のことを分かってくれている気がして嬉しかった 。


そして年が明けて私の誕生日 、彼らのライブを見た 。やっぱり彼らのライブはキラキラしていた 。だけど行くと苦しくなってしまうことも変わらなかった 。
そして予定していたもう1つのライブに行き 、そこから彼らのライブには行っていない 。


彼らは変わらずたくさんの人に幸せを届けている 。ツアーだってたくさん SOLD させてさ 、大きくなっていくんだ 。
どんどん進んでいく彼らと一緒に歩んでいきたかったな 。


 私はまだ 、彼らのライブが怖くて行けない 。

だけど今でも 、彼らの音楽がだいすきでいる 。

いつか 、あの日からは想像できないような大きな舞台で 、キラキラした彼らを見れますように 。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?