第三階層 ソーシャルメディアの台頭
先週の第二階層では検索エンジンについて知ることができた。検索エンジンの調査結果は今回の第三階層でも大いに活かされるだろう。前回はコピーとの熱い戦いが繰り広げられたが、今週はいったいどんな冒険が待っているのか...
政治とソーシャルメディアの広がり
2001年6月14日に小泉純一郎元首相が首相初のメールマガジンを発行した。最盛期には225万人以上の読者を抱えており、総理退任に伴って2006年9月21日に最終号となった250号までに配信総数4億5000万、読者からの意見や感想が49万件に達した。
ブログとはWWW上のWebページのURLとともに覚書や論表などを加え記録しているウェブサイトの一種であり、WebをLogするという意味でWeblogと名付けられ、それが略されてBlog(ブログ)と呼ばれるようになった。2006年頃から投稿者と閲覧者の双方向がコミュニケーションをとれるソーシャルメディアが広がっていった(現在日本国内では約73サービスのソーシャルメディアが主に利用されている)ことによりブログのアクティブ数は頭打ちになった。
ブログなどよりも広範囲に広がりやすい形式のソーシャルメディアは政治にも影響力を与えてきており、2008年のアメリカの大統領選挙ではオバマ元大統領がTwitterを使って選挙に当選した。日本でも鳩山元首相が2010年の元旦にTwitter開始の宣言したことによってTwitterの認知度が上がった。今では現首相の安倍首相や、東京都知事の小池百合子氏など多くの政治関係者がTwitterなどのSNSを利用している。テレビなどのマスメディアよりもスマホなどでソーシャルメディアを見てる若者も多くなってきている現在、SNSなどを活用した政治活動は若者にとって一番身近に感じられるツールなのかもしれない。
多くの人々を結束させるSNS
高校生までに授業で1度は聞いたことがあるであろう「アラブの春」、2010年から2012年にかけて起こったエジプト独裁政権を崩壊に追い込んだ反政府デモである。前例のない大規模なデモであり、アラブ世界だけでなく、世界中の多くの国で広がった。なぜこんなにも大規模に広がったのか、それはSNSが大きな役割を果たしている。アラブの春とは民主化の拡大と文化的な自由を求めて一般民衆が中心となって起こった運動である。しかしエジプト政権は5人以上の集会で政府批判をすることは禁じていた。そこで生活難に陥っていた民衆はFacebookを見てと書いたチラシを作成し、Facebook上で友達同士が交流してデモの決行日を決め、そのデモの様子をネットで生配信してさらにYouTubeでそのデモ映像をアップ、これらを見た人々がTwitterなどで拡散、こうして世界の多くの人に届けられたアラブの民主運動は政権を崩壊させるような大きな力を手に入れた。
2011年3月11日に起こった東日本大震災。多くの被害を出したこの災害、この日Twitterの利用者投稿数は約3300万件と通常の1.8倍に及んだそうだ。しかし、世界的に見たら許容範囲だったためサーバーはダウンしなかった。2019年に起きた台風19号では助けを求める声をSNSであげる人が多くおりその情報を利用した救助活動も行われていたとニュースで聞いた。またこの台風の被害にあった地域では、地元の高校生が復旧活動を手伝うためにSNSで学生に呼びかけて仲間を集めているということも報道されていた。
ソーシャルメディアの推移
ソーシャルメディアが始まった当初はFriendsterが1位であったがすぐにMyspaceに抜かされてしまう。Myspaceは2003年から2007年頃まで1位にだった。できてから怒涛の勢いで増えていったQzoneが2007年からの2008年の間1位になった。しかし、できてから徐々に利用者数を伸ばしていたFacebookが2006年から急に利用者が増え、2008年から他を圧倒的に突き放し1位を獲り続けている。現在はFacebookが約22億ユーザーで1位、2位はInstagramで10億ユーザー、3〜5位は5億ユーザー台の僅差になっていて、3位がQzone、4位がWeibo、5位がTikTok、6位はTwitterで約3億4千万ユーザー、7位はPinterestで約3億3千万ユーザー、8位はSnapchatで約3億ユーザー、9位がLinkedlnで約2億6千ユーザーとなっている。
日本ではGREE⇨mixi⇨Twitter⇨Facebook⇨LINEの順で広がっていった。
日本のSNS利用者の約6割はSNS上で何らかの個人情報を公開しており、利用率と情報公開率が最も多いのは10代後半〜20代女性となっている。しかし女性の方が男性よりも情報公開への危機意識は高い。また、ネット上で個人情報を公開する上で最も危険だと感じるのは、1位が携帯電話番号、2位が顔のわかる画像だそうだ。
様々なネットワークサービスを飲み込み、できない企業は買収していくことで様々なサービスが行えている。
Facebookでは顔出しと実名公開が必須となっていて、この条件があるからこそできるのがネット上での電話サービスである。個人ページでは個人の顔、Facebookページでは会社の顔と使い分けて利用できるという特徴もある。
Facebookではだいたい6人の人を介すれば誰とでも繋がることが可能らしい。
メディアの法則
「ダンバー数150人の法則」
規則やルールがなくても同じ目的を達成でき、最大効果を生める人数は150人であると言われている。例えば、軍隊は一小隊あたり約200人、世界中の村は平均的に150人くらい、世界各地の狩猟民族は150人くらいである。
「サーノフの法則」
テレビや新聞などのマスメディアの視聴率や購読者数など、数の理論が通用するn=総数
「メトカーフの法則」
ソーシャルメディアでのコミュニティの価値は参加者数の2乗に比例するn(n-1)/2 n=参加者数
日本で多く使われているソーシャルメディア
「Twitter」
フォローする⇨尊敬する人、絡んで結果的に相互フォロー
フォローされている時⇨絡んでくれたりして興味がわけばフォローを返すこともある
「Facebook」
友達⇨会ったことがある人、尊敬する人、顔写真で名前のわかる人
「LINE」
友だち⇨会ったことのある人
「TwitterとFacebookのコミュニケーション方法の違い」
Twitter⇨他人と交流することが多い(匿名性が高い)、絆の繋がりは弱い、ローンの相談や性の悩みなど、自分に身近な人には言いにくいことなどの情報やアイディアをちょっと離れた人から詳しく聞き出せる。
Facebook⇨友達や知り合いとの交流が主(実名公開)、6次の隔たり理論、友人への誕生日プレゼントなどの身近な相談は自分の周りのことも含めて考えてもらえる。
インターネットを支配しているのは...
人間を制するFacebookと情報を制するGoogle、そして端末を制するApple、インターネットを本当に制しているのは一体どれなのだろうか...
買い物にGoogleなどの検索を利用する人は8割いるが欲しい情報を見つけられないという人は6割もいる。3人に一人はテキスト検索以外にクチコミ検索も行なっているらしい。
企業と消費者とソーシャルメディア
ソーシャルメディアでは企業の利益ではなく消費者の利益が評価される。マスメディアの場合は大企業の言いなりで交わされているが、検索エンジンやソーシャルメディアは売る側の言いなりではなく、自分の判断で買うことが可能だ。このように、部外者の売り込みが通用しなくなる時代が徐々に迫ってきている。
人間関係もグローカルな時代へ
グローカルとはグローバルとローカルが合わさったものである。物理的に近い人はもちろん、精神的に近い距離にいる人、ネットを通して知り合った人との繋がりがある時代だ。
世界と日本のSNS利用の違い
日本人は海外の人に比べて人見知りが激しいそうだ。日本でのSNSは世界とは異なり、自らの情報発信よりも閲覧や返信目的での利用が多い。つまり、日本のSNSは海外のような個人間の繋がり目的ではなく自己中心的な考えで利用しているのだ。
おまけ
今やソーシャルメディアは私たちにとっては切っても切れない関係で結ばれている。私も利用しているし、友人たちも多くが利用している。私の周りの友人たちは暇あればInstagramやTwitterをチェックしているし、美味しいものを食べに行けばすぐに写真を撮っている。Instagramをやっていない私はその光景を見て今時だな〜とよく思っている。こうやって自分がいいと思ったことを大勢と共有できるのは寂しさを埋めることもできるし楽しいものなのかもしれない。
↓設定守ったver
ソーシャルメディアは私たちともう切れない関係になってしまった。村の多くの人間がインスタやツイッターに取り憑かれてしまった...。でも彼女たちは幸せそうな顔をしているのだ。中毒性があるのかもしれない...私も注意していこうと思う。あ、秘宝アイテム発見!!ツイートしよ〜♪