2021.5/30 ワークショップレポート・スズキ

同じ一つのオノマトペについて、3グループそれぞれの捉え方の違いが際立ち、オノマトペがどういうものか考える上で、とても興味深く面白いワークでした。

【グループ1に参加して】 
①「もかもか」か「モカモカ」か?
・・・配られた「オノマトペーパー」に書き込もうとして、まず最初から迷った。カタカナとひらがな、漢字もABCも有りだけど、どの表記を使うかで、全然違うものになってしまう。結局、ひらがなにした。

②伴戸さんと牛若さんと私の3人が「もかもか」で思い浮かべたもの
・・・牛若さんと私は、最初にコーヒーの「モカ」を連想した。それから、私はちょっと硬めの羊の毛、伴戸さんは毛足が短くそんなに高価じゃない絨毯とか。牛若さんは、ガスで玉ねぎや人参、じゃがいもを茹でる(具材は鍋の中で大きくは動かず、少し上下に揺れるような感じ)イメージが浮かび、そこから更に(ちょっと眠い)木曜の午後に、コーヒーを淹れて鍋でカレーとかシチューを煮込んでいるところ、というストーリーに発展させた。牛若さんは他にも、お相撲さんの体(肉の塊!)を触った感じ、特に頬の肉をぎゅっと握った感じだ、とも。
何となく3人に共通すると私が感じたのは、「ふかふか」や「もやもや」には無い、硬さと重量感が少しあり、動くけど、大きく激しくは動かない、という感覚。

③素材探しと制作
・・・伴戸さんが牛若さんをフォローし、私は単独で。開眼のまま素材置き場に行き、並んだモノを少しの間見た後、眼を閉じ手探りで選んだ。欲しかったのは、手触り柔らかく、でも適度に硬さのあるもの。なだらかな形の蓋無しペットボトルは、握ってみて少し柔らかすぎたが、蓋をもらって密閉するとまあまあな感じ。グループの机に戻り他のメンバーの持ってきたものを触っていたら、ベロアの革があり、それをペットボトルに巻いてダクトテープでしっかり留めたらより近くなった。伴戸さんと牛若さんは、床に二つ折の座布団を置き、それにコーヒー豆の麻袋を被せて座布団を動かし、麻袋の上から手で触っていた。座布団の下に皮を着せたペットボトルを入れて動かすのを、麻袋の上から抑えるようにして触ると、まさに「もかもか」という感じになった。
時間が余ったので、ダクトテープの輪と捨てられたチョコの包み紙を見て思いついた、土産物によくある頭を上下する人形みたいなものを作った。円錐形の糸巻きの胴体に、針金を使って、ペットボトルの赤い蓋3個と花みたいな形にした包み紙をテープ表面に貼り付けた頭を載せて、出来上がり。「ぴかぺんちゃん」という名が浮かんできた。(灯台のイメージもあったからか?)
直径15㌢ぐらいの紙のボウルと麻紐で「小もかもか」も作った。麻紐を、裏返したボウル表面にボンドでぐるぐると貼り付け、乾かして固めた。裏返しのまま床や机に押し付けてみると、小さな「もかもか」になった。

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【他グループについての感想】
グループ2・・・素材も形も色々なのがくっ付けられ、複雑で面白いものになっていた。「も」と「か」二つの音感を元に、3人が一体になって作ったと聞いて、異なる2音の世界観を3人でああでもないこうでもないと一緒に作り上げていった結果、音や感触やイメージが混ざり合って面白くなった気がした。

グループ3・・・はじめ、「もかもか」という音、文字のみからは「これのどこが?」と思った。伴戸さんの感想を聞いてからは、SFに出てくるような、性質や次元の異なるいくつかの部屋が並んだ「お屋敷」みたいになった。そして、製作者二人の話を聞いた後は、言葉の分析、対話、思考から作り出された、哲学的な作品に見えてきた。

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