見出し画像

[音楽紹介]Passenger - Passenger(2003年)

(自分のブログ『巨大な足』http://reviewugogg.blog.jp/ から記事を移行しています。noteに統合予定です。)


 スウェーデンのメタルバンドによる2003年1stリリース。バンドのキャリアを通してアルバムのリリースはこの1枚のみで、現在は休止状態。

 メンバーにアンダース・フリーデンとニクラス・エンゲリンというIn Flamesのメンバーが加入していたことでも知られているバンドですが、現在のネット上において、このアルバムのレビューは通販サイト以外ではなかなか見かけません。みんな嫌いなのでしょうか。

 音楽性は、けだるげで静かなパートとモダンでヘヴィなパートが入り混じったニューメタル。アンダースのボーカルは当時のIn Flamesと大きな差はないボーカルスタイルですが、クリーンボーカルの割合が多く、攻撃性はあまり感じられません。

 先行シングルのtr.1なんかはわかりやすいモダンメタルチューンで、キャッチーなサビが耳に残ります。他にもtr.6の静から動の曲構成、tr.9の突き抜けるようなサビ、tr.11の絶望的なリフレインによるアルバムの〆などが印象に残ります。けだるく悲観的な世界観でアルバムが統一されていますので、通して聴けば沈み込むような感覚になれます。In Flamesっぽさを求める向きには不評でしょう。正直リフは典型的な「モダンなヘヴィリフ」なのでほとんど印象に残らないし。

 結局このアルバムを出したあたりからIn Flamesは加速度的に多忙になっていき、このバンドは自然消滅。その後のIn Flamesは大躍進を遂げ、メロデスからも脱却。『Siren Charms』なんかはむしろPassengerらしい作品だと思うのは私だけでしょうか。

【Track List】
1.In Reverse
2.In My Head
3.For You
4.Just The Same
5.Carnival Diaries
6.Circus
7.Rain
8.Circles
9.I Die Slowly
10.Used
11.Eyes Of My Mind
12.Drowning City(日本盤ボーナストラック)

動画はtr.1の公式PV。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?