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UGIP世界一周型インターン体験談

 こんにちは。昨年度世界一周チームを担当しておりました、福澤です。この記事は世界一周チームがインターンシップで行ってきた内容を時系列順にまとめました。UGIP世界一周インターンに興味のある方は是非参考にしてみてください!

はじめに (滞在国、インターンシップ内容概略)

 世界一周チームはUGIPの中でも最も滞在国が多いインターンシップになります。3週間で7つの拠点、4つの国を訪問しました。

 インターン期間中に取り組みべき課題として、世界一周チームには2つの課題が与えられました。製品に関するテーマと人事に関するテーマの2つです。それも、一つの国に特化したものではなく、普遍的なテーマでした。製品に関するテーマは世界一周した体験を通してどこの国にも通用するような商品案の提案を行うこと。人事に関するテーマは海外支社への経営理念の浸透方法を考えるということです。今振り返ると、両者とも壮大なテーマですが、一大学生としてここまで企業に関係する内容を考えたことはなかったので、チャレンジ精神なるものが湧いてくるのを感じました。

 何も予習しない状態で現地に行っても、望ましい成果は得られないので、渡航までに今一度チームメンバーで何度か集まり、渡航先の国や空調事情に関して勉強会を開きました。学年を問わず、初対面ばかりが集まったチームも、何度か勉強会を通して仲が深まっていき、渡航する直前には上下関係の枠を越えて言いたいことが言えるチームに成長できたと思っています。渡航前にこうした雰囲気を作ることができたのは、大変貴重な経験でした。

アメリカ (ヒューストン)

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 いよいよUGIP本番です。成田空港に集合し、初めに向かった拠点はアメリカ、ヒューストンでした。いきなりの長期フライトでしたが、これから始まるインターンに興奮して機内では一睡も出来なかったのを覚えています。世界一周チームは3週間で計10回以上飛行機に乗るので、体力が重要になります。なので私の経験はどうか反面教師にしてください...。私は機内で一睡も出来ず、乾燥で喉もやられて声が出なくなりました(笑)。声が出なくなると現地でのミーティングで活躍できなくなるので、チームメンバーには多大な迷惑をかけてしまったと思います。

 このまま話し出すと大きく本筋から逸れるので、話をヒューストンに戻しましょう。初めてのダイキン拠点では現地の工場見学や実際の住宅地に赴き、アメリカで広く使用されている空調機器について見識を深めました。

 ちなみに、このインターンを受けてると空調にとても詳しくなります。

 例えば日本とアメリカの空調の違いを簡単に説明すると、日本では部屋ごとに冷暖房を取り付ける空調なのに対し、アメリカは建物の一ヶ所に冷暖房機器を設置し、温風や冷気をダクトによって建物中の部屋に送る空調なのです。

 日本を旅立ち、いきなり日本との違い(それも大きな!)に出会った私は「本当に世界中に通用する製品開発なんて出来るのだろうか」と一瞬不安になりましたが、それよりもアメリカが楽しすぎて不安は一瞬で通り過ぎました(コラ)。ホテル近くのスーパー、ダイキンの工場、ホテルの朝食、全てがビッグで全てが日本では見かけたことのなかったものでした。

 ヒューストンを出発する最終日、ダイキン社員の皆さんとテーブルを囲み歓談しました。このインターンでは社員さんの方々とお食事する機会が多く、それも立場が上の人たちともお話しできる機会があるのが大変魅力的です。日本を離れて、仕事をするということについて早速考えさせてくれる機会を貰いました。 

アメリカ (ニューヨーク)

 次のアメリカ拠点、ニューヨークに向かいます。個人的にニューヨークは一番楽しみにしていた拠点でした(もちろんどの拠点も楽しみでしたが笑)。同じアメリカでもヒューストンとニューヨークでは気候や風土が全く異なり、それに伴い販売する製品やサービスも違うものとなっていました。ヒューストンで日本とアメリカの違いを学んだつもりでいた私は、ニューヨークとヒューストンの違いを目の当たりにして不安になりました。今後訪問する国々もどうせ今見ている製品とは違うものが売れてるんだろうな、と高を括ることが出来たのはある意味大事だったのかもしれませんね(笑)。

 不安はありましたが、それ以上にニューヨークに来ることができたことが嬉しく(ヒューストンでも似たようなこと言いましたね)、またオフの時間もしっかり用意されていたため、あちこちを観光することができました。数日間と言わず1ヶ月でも1年でも滞在したくなる場所でした。ここが私のアナザースカイ。

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 ここまでだと完全にニューヨークに遊びに来た人の話になるので、インターンシップの話もきちんとしましょう。本拠点で良かったことはダイキン社員のみならず、ダイキンと関わりを持つコンサルタントの方や大学教授(もちろんアメリカの!)の方ともディスカッションを行うことが出来た点でした。空調の内容を超えてこれからのグローバルビジネスについて語り出した姿は、今でもありありと思い出されます。こうやって日系企業と関わりを持つのも素敵だなと感じました。

ベルギー (オステンド、ブリュッセル)

 アメリカを離れ、再び10時間ほど飛行機に乗りヨーロッパはベルギーに向かいました。公用語が英語でなくなったため、コミュニケーションが上手く取れるか不安でしたが、意外となんとかなりました。ヨーロッパとアメリカはよく「欧米」と括られますが、現地へ行ってみると全然括れませんね。同じダイキン社内を見ても、ベルギー工場とヒューストン工場では雰囲気が全く異なっていて驚きました(このインターンはいつも驚いてばかりですね)。どちらが良いという話ではないのですが、こうした国々の違いを一つの企業で味わえる醍醐味がグローバル企業だと思いました。

 ヨーロッパの人たちは日本以上に家族との時間やライフワークバランスを大事に考えている感じがありました。オステンドにはきれいなビーチがあり、インターンシップ業務後に海岸線を歩いていると、確かに人生には仕事よりも優先することが沢山あるよなぁという気持ちになります。日本で社会人になったとしても、オステンドの海岸を歩いた時の気持ちを大事にしながら働いていきたいものですね。

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 最後に空調の話をすると、ヨーロッパは夏場でも涼しい地域が多いためエアコンが売れない地域もちらほらあるそうです。実際に現地の住宅で窓を開けると、8月なのに涼しい風が大変心地よく、これはエアコンがなくても生きていけるな、と苦笑しました。

ベトナム (ホーチミン)

 ベトナムについたあたりでインターンは後半戦に入ります。長い飛行機移動が続く中で体力的にもしんどさが溜まってくる頃合いです。ベトナム拠点では体力回復のために1日フリーの日が設けられたのですが、その日は半日くらいホテルのベッドで今まで学んできたことをまとめていました。ずっと各拠点でインプットすることが多かったので、どこかでアウトプットの時間を設ける重要性を感じました。とはいえ、ベトナムもまだインプットの時間の方が長かったです。

 ベトナムの空調事情は特徴として、エアコン以外にも扇風機やサーキュレーターがよく売れていることが挙げられます。今までの国ではエアコンに関して考えれば良かったのですが、アジアに来て少し事情が変わったので、また一から振り出しに戻った感は否めませんでした(笑)。でもちょっとずつ世界に共通して大事なことって何なのか、少し見えてきたような気もして自分の中で進歩を感じることも出来ました。

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 ダイキンベトナムの人たちは大変人当たりがよく、気になったことも遠慮なく質問できる空気を作ってくれたので、ガンガン質問できました。現地の社長さんはベトナム人の女性の方で、ベトナムにおいてダイキンを成長させていこうという気概やリーダーシップを感じました。どの拠点にも共通して言えることですが、海外で外資系企業として活躍する日系企業としてのダイキン の姿を見て、今まで理解していなかった”海外で日系企業として働く”ことの本質を捉えたような気がします。その後の会食ではベトナム式の乾杯の挨拶を教わり、ベトナム人日本人が一体となってベトナムでお酒を酌み交わす姿には込み上げてくるものがありました。

中国 (上海、深セン)

 勝手な話ですが、中国に渡るとと大分日本に帰ってきた感じがありますね(笑)。ベトナムに来た辺りから食べ物が慣れ親しんだ味に変わっていく様子を感じられて、それを感じられるのも世界一周インターンの隠れた良さでした。食事の話が地味に多いと思いますが、話したくなるほど各拠点では色んな現地の料理を味わうことが出来ました(ベルギーのムール貝の話書くの忘れたな...笑)。

 中国は最後の国なので、どこか寂しさも入り混じる滞在となりました。チームのみんなでホテルの一室に集まり、今まで学んだことをアウトプットしていく時間も意識的に作るようにしました。ベトナムで回復期間が設けられていたとはいえ、すでに10回ほどのフライトをこなしていた私たちはまだどこか疲労感が体に残っていた気がします。けれどもこれで最後になるので、みんな限界まで頑張っていたと思います。

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 ダイキンオフィスのある上海だけでなく中国のベンチャー企業が集まる深センにも連れて行っていただき、現地のベンチャー企業の若い方々と知り合う機会も増えました。自分たちとそこまで年齢が変わらない若い中国の方々が、新商品を開発して社会をよくしようと努力する姿は大変刺激的で、私たちは日本で果たしてこの人と同じように努力することが出来るのだろうかと自問自答しました。

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 インターンシップ業務を全て終えた後は、上海での最後の思い出作りです。上海の外灘(ワイタン)で光る”魔都上海”の文字を見ながらこれ迄訪れた国々、オフィス、出会った人々の顔を思い返し、大学人生でも本当にかけがえのない経験が出来たのだなぁと実感しました。この時の気持ちは私の文章力では到底表現できるものではないので、ぜひ皆さん世界一周して体験されてみてください(笑)。

 この中国が最後の滞在となると同時に、日本に帰ってしっかり学んだことをアウトプットしなければならない責任感もひしひしと感じていました。

TIC報告会 (大阪)

 日本に帰国し、ゆっくり休めるなと思った矢先の報告会です(決してインターンプログラムの不満を言ったわけではないです、悪しからず)。帰国して2週間後の大阪での報告会だったので、帰国間も無くチームのみんなと集まり報告会に向けてのディスカッションが始まりました。

 欲を言えば中国あたりで製品案や人事案を完成できていれば良かったのですが、中国でもまだまだインプットしなければならない情報が多く、振り返ると渡航期間はずっと勉強期間でもありました。まだ結果をまとめていないことに焦りと不安は当然ありましたが、同じ世界一周を経験した仲間同士で議論し合うのはほとんど最後だと思うと寂しさもありました。初めて集まった時は学年も専攻もバラバラな私たちでしたが、渡航を経て陳腐な表現ですが、かけがえのないチームメイトとなりました。

 発表の前日までチーム内で議論し合い、ほとんど滑り込みで当日を迎えました。発表本番は正直かなり冷や冷やしましたが、ダイキン社員の皆様から好評をいただけてホッとしました。まだ12月の東大での報告会は残っていましたが、帰りの新幹線では達成感と充実感に満たされていました。

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本報告会の様子を各種メディアに取り上げていただきました!!

UGIP報告会 (東京大学)

 TIC報告会を終えるとしばらくはお休みとなり、12月に東京大学で行われるUGIP報告会を最後に2019年度のUGIPが終了します。午後に東大山上会館に集合し、ポスター発表と報告会を行いました。今まで世界一周の発表に集中してきましたが、ここでようやく他の滞在チームの様子を知ることが出来ました。

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 自分たちが訪れたことのない地域の方々の発表を聞きながら、UGIPの規模の壮大さと、このインターンシッププログラムを実行できるダイキン の大企業としての大きさを改めて実感することが出来ました。

 これでとうとう2019年度のプログラムは終了しましたが、今でもこの時のメンバーとは一緒にご飯を食べたり将来のことに関して語り合う仲になっています。そして現在は近日開催予定のイベントに向けて、あの時と同じように再集合し活動をしています。

最後に (これからUGIPを受けようとする東大生の皆さんへ)

 以上かなり長くなってしまいましたが、ここまで述べたことが2019年度のUGIPの”簡単な”(本当に簡単な!)紹介となります。これでもどこを省略するか大変迷いました(笑)。

 これからUGIPに参加しようかと考えているみなさん、あるいはまだ考えてもいないみなさんにお伝えすることがあるとするなら、このプログラムは皆さんの大学生活の中でもトップクラスに貴重な体験となることでしょう。そして、このプログラムを通じてかけがえのない友人が出来るはずです。最後はちょっとくさかったかな。

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アルムナイ紹介

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福澤治幸
東京大学大学院理学系研究科生命科学専攻。プログラム時は修士1年だった。現在は修論を書きつつ博士課程への進学を準備中。

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