井口寿則/雨月茄子春

宮崎在住の歌人、編集者。サーフィン始めました。

井口寿則/雨月茄子春

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  • みやぽか通信

    【書籍化につきバックナンバーの公開を止めています。読みたい方は直接ご連絡ください。データ送りますので!お気兼ねなく!】 宮崎県の楽しい暮らし

  • 「朝の味噌汁」を読む

    おばあちゃんの歌集です

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PROFILE

井口寿則(いぐちとしのり)/雨月茄子春(うげつなすはる) 歌人、編集者。1993年埼玉県さいたま市生。2018年より短歌を作り始める。宮崎県在住。 ディレクション・DTP・デザインを行った書籍に、短歌誌『メルクマール・メルルマーク』(2022年)、『みやざきぽかぽかたんか』(2023年)、『安住』(2024年)など。 短歌だけでなく、文化事業の企画立案、舞台出演、川柳・詩の制作など、活動を多岐に広げる。 最新情報はHPへ! https://evekoto.wixsite.c

    • 第13回牧水・短歌甲子園で気になった歌

      第13回牧水・短歌甲子園で気になった歌をいくつか引きます。 あわせてよみたい↓

      • 「川柳EXPO」レビュー

        丸文字がやけにかわいい遺書だった/徳道かづみ 止め方は習わなかった非常ベル テストには出ない名前を暗記する こういう「そうなんだ(そうだよね)」系に自分は弱い。 糊も自分がわかっていない/おかもとかも 人知れず面取りされた自己紹介 一句目。とぼけている感じがかわいい。「も」で糊との仲間意識が出てくる。 遺言にして唯一の島/南雲ゆゆ 故に螺旋は指先ひとつ いい連作。川柳の連作ってまだ方法論が見つかってない気がするけど、ひとつの発明をしたと思う。「ゆ」ってそもそもやさしくてい

        • 茄子春さんのおもちゃばこ

          第8回現代短歌社賞(2020年)の予選通過作です。 投稿欄に出していた頃の短歌をまとめたもので、今とは作風がだいぶ違います。連作、読み返したくないですね~…… 一ヶ月くらい置いておきますのでよかったらどうぞ。 →諸事情により公開停止しました。 近年(2020-2022)の作品群はこちらで読めます。残り50部くらいだと思います。買ってくれると嬉しいな。

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        記事

          川柳句会ビー面 1-6月

          提出句 30句 所感 おまけ 3句

          川柳句会ビー面 1-6月

          全首読む(「さくらひなたロッチの伸びしろラジオ」の短歌)

          「さくらひなたロッチの伸びしろラジオ」(NHKラジオ第1毎週月曜20:05〜)で短歌の特集が組まれていました。2020/12/29、2021/3/29、4/26、6/14、7/19、9/6の回。 「さくらひなたロッチの伸びしろラジオ」9/6の回の紹介文 櫻坂46と日向坂46のメンバーがさまざまなジャンルのプロからテクニック&スゴ技を指導してもらいアイドルとしての「伸びしろ」をグイグイ広げていく生放送バラエティー 今回の伸びしろテーマは「短歌」!これまでの放送で出演メンバーに

          全首読む(「さくらひなたロッチの伸びしろラジオ」の短歌)

          「大丈夫」のこと

          PDFはページ下部にあります。 小島よしおの動画はこちら https://youtu.be/QrlQrlIaI8I 「大丈夫」をテーマに10首並べてみました。 どうでしょう。 「大丈夫」→「うん、大丈夫だね」というさらりとした歌は実はなくって、 つっこませる、意味を反転させる、強がる、あるいはぶん殴る、 自分にはそういうずらしが隠されているように見えます。 つまり読み手に「大丈夫じゃないじゃん!」と反応させるような使い方。 これが成功すると、読み手が作者の味方になるの

          「大丈夫」のこと

          夜を送る─teto、榊原紘、kemio

          tetoというバンドが好きで定期的に聴いている。激しいテンポのメロディに言葉をこれでもかというほど詰め込んでいるのが特徴で、音量を大きくしてイヤホンで聴くと、脳の中が冷たい水で洗い流されたようにスッキリとする。 独り言が多い。ドライブの時や自転車を漕いでいる時、歩いている時、つまり移動の時、頻繁に独り言を言ってしまう。人と会話をした後しばらく経ってから頭の中で「あそこのトーン、怒ってる感じに聞こえたかな」とか「もっとウィットに富んだ返しができたのに」といった考え事をするのが

          夜を送る─teto、榊原紘、kemio

          井口薫歌集「朝の味噌汁」を読む⑤

          祖母の歌集を読んでみよう、ファイナルです。 ④は下のリンクから。 O−157たたき潰せよ連発の花火の爆音大地ゆるがす 「打ち上げ花火」 O−157という懐かしい名前が出てきた。90年代のO−157に20年代のCOVID−19、ずっと手洗いうがいが推奨されている。通っていた埼玉の小学校の手洗い場に「てをあらおー!」と女の子のキャラクターが呼びかけているステッカーが貼られていたのを覚えている。 掲出歌の鑑賞だが、五句目の「大地ゆるがす」は蛇足だと思う。これがあることで、この

          井口薫歌集「朝の味噌汁」を読む⑤

          井口薫歌集「朝の味噌汁」を読む④

          名歌発見の予感。 ③の続きです。 病室の洗面台もスタンドもなで肩となり午後をまどろむ 「脳梗塞」 丸坊主隠すことなく脳外科の患者ら眼で労り合いぬ 「脳腫瘍」 脳シリーズの連作ということで2本同時に鑑賞する。 掲出歌一首目。ポイントはなで肩だろう。手術がうまくいき、病室でホッとしている様子が感じられる。洗面台もスタンド(照明だろう)も、どちらも丸みを帯びた形状をしているイメージがあり、それらもなで肩となってうとうとしているようだ、という比喩は上手い。 付添いの夫の寝息を

          井口薫歌集「朝の味噌汁」を読む④

          井口薫歌集「朝の味噌汁」を読む③

          ②の続きです。半分の少し手前くらいまで読みました。 だんだんこの歌集の読み方がわかってきた気がします。 旅の夜の更けゆくままに語り合うわれら戦中派の死の迎え方 「灯」 夜更けと戦中派の雰囲気がマッチしている。 新型コロナウィルスによる死者は高齢者に多いようだけど、この時語り合った死の迎え方とは一体どのようなものだったのか。 大学の英語の講義で、先生に「Nightが具体的にいつを指すか知っていますか?」と聞かれて返答に窮したことを思い出した。「人間が眠りについている時」との

          井口薫歌集「朝の味噌汁」を読む③

          井口薫歌集「朝の味噌汁」を読む②

          ①の続きです。 ゆうぐれの焚き火にかざす掌の匂いふるさとの父につながる 「叔父」 4音の単語が4つ出てきて、それが緩急を作っている。ゆうぐれ、掌、ふるさと、つながる。上の句のゆったりした動作から「匂いふるさとの」の3+5音で食い気味に「ふるさとの父」につながっていく感じがする。匂いが来た瞬間に父の記憶がぶわっと広がるみたいなイメージ。祖母の叔父も祖母の父も、なんなら祖母のふるさとも知らないんだけど、焚き火に掌をかざすと古い記憶が引き出される、みたいな感覚はわかる。この経験

          井口薫歌集「朝の味噌汁」を読む②

          井口薫歌集「朝の味噌汁」を読む①

          祖母の歌集を読んでいきます。1999年3月21日発行。地中海叢書第613篇。発行所は2011年に解散された短歌新聞社。34の連作からなる。 ネーミングは彩の国とう埼玉に半世紀住みしわれは何色 「かたかごの花」 「彩の国」の名を持つ埼玉で50年生きたけれども一体私は何色になれたのか、という素朴な問いを、やや自嘲気味に歌った一首。 この連作にはかたかごの歌が多く出てくる。別名カタクリ。ユリ科。あとがきを読むに、どうやら祖父の故郷新潟を訪れた際に見た花らしい。見たことないな。

          井口薫歌集「朝の味噌汁」を読む①

          ダイビング at チャム島(ホイアン)

          シンチャオ、うげつです。 ベトナム中部、世界遺産の街ホイアンから西へ数kmの島、チャム島でダイビングをしてきました。 ダイビングをするにあたり、事前にいろいろ調べてみたのですが、最新の情報がそれほど見当たらなかったのでここにまとめておきます。 ダナン、ホイアン付近でダイビングをする際の参考にどうぞ。 ○使用したダイビングショップ Cham Island Diving Center ↓HP https://vietnamscubadiving.com/ja/ ↓ファンダイ

          ダイビング at チャム島(ホイアン)