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インクツボ社の思うツボ(とかいう誰うま事案)

昨年の11月末でしたか、フランスの通称「クロワッサン」諸語版『星の王子さま』(以下、例によってLPPと略記します)が25冊まとめ買いで100ユーロのクリスマスセール!という広告を見てしまったものですから、フランスの諸言語とはほぼ無縁の人生を送っていたはずの不肖わたくしはつい魔が差して在ドイツのLPPといえばここというべき出版社、Edition Tintenfaß(Tintenfaßとはドイツ語で「インク(の)ツボ」の意味です。ハイここテストに出ますよ、って何のや)にInstagram経由でセールで25冊ぜひ買いたいのだけど送料はいかほど?という問い合わせのメッセージを送ったものでした。もちろんそのメッセージを送った時点で何ユーロといわれようが注文する心の準備はできておりました。果たして送料65ユーロ(わりと高いなオイ)ということだったのですがそれを差し引いても上記諸言語を個別に買ったとしたら日本円で50000程度の差額になってしまうということが判明したので、私は送料を教えてもらいつつも「ご注文ありがとうございます」とかあれワイもうこれ注文したことになってたのマジかよ的メッセージを受け取るや否や、Paypal経由で先方に即振り込みをしたのでありました。はたしてその25冊も昨年のうちに無事長崎に届きまして、ああよいクリプレを自分に買ったものであるな(読めんけど)と思っておりまして、それだけでも十分モトは取れたと思ってはいました。以上のことはまあそれはそれで話は完結しているのですけれども、問題はそのあとのことなのですよ奥様方。なにがといって、そのメッセージおよびメールでのやりとりをインクのツボ社と直接やって以降、月イチのペースで『星の王子さま』翻訳版の新刊情報が届くようになってしまったからさあ大変です。で、先日も書いた通り2月のお知らせメールが届いたかと思いきや、その新刊のうちの一冊がノガイ語版だというんですからテュル活民たるわたくしとしては過剰に反応するほかに道がないわけです(わかりますね?)。それにそのメールではそれら新刊について「どうですか50ユーロ出していただけると当該本にスポンサーとしてお名前が載りますよ」とか書いてくるからこの時点でワイの人生は半ば終わったも同然となってしまったわけです。われらの愛するテュルク諸語の一つで翻訳された言語のLPP本にサポーターとして自分の名前をいれてもらえるみたいな話を聞かされてしまったら、そらもうその話に乗っかるほかに何がありましょうか(いや何もない)!というわけでこのメールをもらう前後にデンマークやらイランやらのオンライン書店に同じくLPPの発注をかけていたこともすっかり忘れてしまい、ノガイ語購入にサポーターとして通常価格の倍になる50ユーロを突っ込み、同時期刊行予定のLPPも各22ユーロ定価で買いますと再びインクツボ社に返事してしまった次第なのでありました。そうしてさすがにやりすぎだよな俺な、誰かやりすぎだと叱ってほしいと思ってTwitter(界隈ではX)でそのことを書きましたら、とあるモンゴル諸語研究の先輩(仮にY越さん、としておきます)が「あちらの思う壺ですね」とかリプしてこられたものですからチキショウうまいこといいやがってくやしい、そのダジャレはワイが思いついたことにしてほしいと思いました。こうやって振り返りますと、2月の上旬にワイはインクツボ社においくら万円突っ込んだのか考えたくもなくなってしまっていまして、突っ込むのは万年筆の先だけにしておかないと…普段の生活に苦渋の表情が…

に じ ん で し ま い ま す よ ね…

イ ン ク だ け に !!!

(以上、全文超早口で最後だけゆっくりかみしめるように)

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