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お休めない「おやすみ」案件:例文をめぐるチェッカーとのやりとりエピソード

オンラインでもオフラインでも長年お世話になっている、dlitさんのこの記事。

この記事を簡単にまとめると、言語研究者は言語にまつわる規範(たとえば、『ら』ぬき言葉は使うべきではない、のような)を作り出すのではなく、現実の言語のありようがどのようであるのかを記述するという姿勢をとる、ということになる、と。

なのですが、一方で実際に言語学をベースにしながら語学の仕事をやる時に、この規範と向き合わないといけない瞬間というものが度々訪れるということで、日本語研究であれそれ以外の言語の研究であれ、言語研究者が必ず直面する問題なのではないか(で、どうしましょうね)、というのが上のリンク先の記事におけるdlitさんの趣旨です。

まさにその問題って、自分が年末に経験したことそのものとしてあったなと思ったのでここでちょっと書いてみようかと思いました。で、表題のそれというわけ。

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アゼルバイジャン語で、「おやすみなさい」という、夜間の時間帯に使う挨拶的表現があります。最近いろいろ言及している文法書で、もちろんこの表現に私も言及しました。それで、その例文を他の複数の本などからも確認をとった上で、

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