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複業者としてのメリット

仕事を始めるようになって、事業者として生きている時間と被雇用者として生きている時間が同じぐらいになってきたので、改めてこのテーマで書いてみます。あえて表現すれば、複業をずっとやっているわけですが、複業者として生きることについて書けたらと思います。

Index
・事業を始めるとき
・被雇用者としての仕事の報酬
・複数の仕事が生み出す掛け算

事業を始めるとき

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初めは事業者としてMade in Japanのプロダクトを日本から海外へ紹介・輸出する仕事を、被雇用者として働きながら始めました。
最初は週末でのWワークにてプロジェクトをスタートさせました。20代の頃は自分の時間をほぼ全て自分にのみ投資できる強みもあり、半年程度である程度の事業化ができるのではないかというところまでは見えてきていた状況で独立しました。

一方で始めるきっかけとして当時、考えていたこととして自分は日本に生まれた日本人ですが、明治の時代にアメリカから石油の掘削技師として来日した祖先がおります。彼がいたから今の自分がいるため、仕事を始める前は、よくこのアイデンティティについて考えたりもしてました。
海外から来ているルーツを持ちながらも、日本で育って日本の文化に浸っている自分を変えたかったのも背景の1つです。もっと言えば、その背景を持ってできる事業は何かを考えて、日本の文化や地場産業など含めた作品を紹介することを始めました。

その頃に、香港のメディアから知り合いのブランドが問い合わせをもらっていてその海外担当として始めたのが、自分の事業としてのスタートでした。その後は、複数の国や都市に直接行って、各都市でのパートナーとの交渉を直接やることで事業を拡大すると共に、自身が抱えていたアイデンティティーを活用して仕事に変えることができました。

左上から、シンガポール、チューリッヒ、ベルリン、プロバンス、パリ、ニューヨーク、リヨン、ミラノ、香港

そこから取り扱っていた商品も、海外のセレクトショップにもクチコミで広がるようになりました。
香港からスタートした卸業ですが、その後は韓国、台湾、シンガポール、US、カナダ、UK、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、等々に広がっていきました。事業を運営していることは全てが必死で何かを変えようとかも考えずにとにかく走り続けていた日々でした。
そんな時に1つのことに気づきました。特に事業運営において壁にぶつかった時に、「何とかする」以外の選択肢がなかったことが今となっては反省点です。つまりは事業運営者は誰かが物事を教えてくれるわけではなく、全て目の前の事象を教材にスキルを身に付けていくことになるのです。もちろん他にもありますが、当時の自分はそれ以外に解決策を見出せずにいました。
そんな折に、お誘いをもらったのがPMとしてのポジションです。

被雇用者としての仕事の報酬

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PMとして働く機会をもらうことで、今までの自分とは違う新しい領域における可能性を広げ自分が持っていた限界を突破したかったのが1つの目標でした。
経営としての観点でも、自身の事業の可能性を広げたかった時でした。今からすれば、そこから想定以上の経験をさせてもらい、今でもこうしてPMを続けています。

そして、もう1つ被雇用者として学びになる点が、組織の中から経営者の決断や経営実行を見ることができることです。自分が経営者ならどうするか?を考えながら働くことで実際に何が起こり、どのようなリソースから経営判断がなされるのかは最高の教材の1つです。決算資料のみでは見ることができない企業体しての行動履歴を経験することができます。
さらにもう1つとしては、福利厚生を受けながら他者からマネジメントをして頂き、さらにはコーチングを受ける機会もあることです。
これは自分の数年間のPMの中でも最も価値のある財産です。
複数のマネージャーの元で働いたことで、それぞれのマネジメント手法を学びました。
またメンターについてもらうことで、メンタリングを受けることでの自身の見方の客観性を得ることができました。
まさにこれが自分にとっては、被雇用者としてのメリットであり報酬の1つでした。

複数の仕事が生み出す掛け算

「自分を切り売りできるようになったほうがいい」

事業を始めたばかりの頃に、とある知人に言われた言葉が当時はよく意味が分かりませんでした。事業を始めたばかりだったこともあり、全てのプロジェクトや仕事に対して全力で取り組むしか術がなかったのも事実です。それ以上に、結果を追い求めるあまりに、将来への展望や自身のキャリアについてなどはあまり考えていませんでした。
仕事を通した経験から、自分自身でもマーケティング、セールスの経験と、プロダクト開発、プロジェクトマネジメントの経験などをしてきました。
仕事が複数あると、まさにその自分のスキルやストロングポイントが1つではなく複数できるのが良い点かと考えます。

また一方では、その点と点がいつの日か線につながる経験もあると考えてます。
有名なスティーブ・ジョブズさんのスピーチの中にも、Connectting the dotsの話をされていますが、自身の興味に任せて学んだカリグラフが、プロダクト開発にも影響を及ばした話です。

スケールは異なりますが、事業運営の中で培ってきた交渉力がPMとして働く上でも役に立っている場面は多くあります。プロダクト開発を担当しながらも、BizDevとしての折衝や交渉を行った り、マーケティングメンバーとのコスト交渉やROI策定とそのPDCAサイクルなど、培ってきたものをフルに使ってPM業を行ってきました。
その上で現在では、自身のPM業を通して得た経験と事業者としての経験を元に、業務委託として複業先の会社さまの成長をサポートさせて頂く機会が増え、やっと当時の知人に言われた自分を切り売りすることができてきていると感じています。

その上で複数の仕事をやっている結果ではあるのですが、キャリア形成においても1つのことをやり続けている訳ではない結果、キャリアもシンプルではなくある意味での複雑性と職種とRoleの掛け算で成り立っているようなものだと考えます。
・プロダクトマネージャー × ビズデブの外部折衝Role
・プロダクトマネージャー × マーケターの出稿プランニングRole  

Salesから始めたキャリアもマーケティングを経験することで、事業運営・経営も経験したことで、経営目標としてのKGIとロードマップのDirectionを意識した上でのプロダクトマネジメントができるようになりました。遠回りしている部分ももちろんあると思いますが、複業者としての強みを最大に活かして今の仕事に向き合っていけてると考えます。

複業者の方が増えている昨今では、もっとより高度な掛け算の強みが生まれてくることでしょう。また色んな掛け算を持った方々と仕事するのもとても楽しみであり、実際に楽しいです。
そのような方々と出会えるよう、掛け算を増やしていけるよう心がけていきます。

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