俺という失敗例から学ぶ:低予算&知識無しでもDTMがしたい!(周辺機材編①)

こんにちは、愛車のイグニッションコイルがお亡くなりで5万近い散財を強いられてた可哀そうなおじさんです。
前回から間が空いてしまいましたが、「周辺機材」について書きます、私の失敗例(&珍しく成功例)を元に、ぜひ財布への余計な被ダメージを回避してもらえれば幸いです。
相変わらず文章まとめ力が無くて長文の恐れが有るので、前後編2回に分けます。

1.「これからDTMを始めたい」方向け

・極論:無くても問題なし

↑の通りです、無くてもDTMは出来ます
…さすがに極論過ぎますね、安物でもヘッドホン/イヤホンはDTMに限らず音聴くため&騒音防止に用意しましょう。

・「便利ツール」であって「必須ツール」では無い

実際ヘッドホンはほぼ必須では有るんですが…。
「音楽を制作するんだから、高価で性能の良いヘッドホンとかスピーカーとか、あと鍵盤とかツマミとかなんか色々付いた難しそうな機材を用意しないといけないんじゃないの?」
たしかに有ると時短にもつながって便利だし作る音楽の質も良くなります、なりますが無くても大丈夫です。そもそも万が一DTM入門の方がいきなり高価な機材を揃えて「やっぱ挫折しました…」ってなっちゃった際のショックはデカいと思うので、まずはPCとDAW最優先にしてOK。仮にDTM挫折しました(あるいは覚えるの難しくて放置中)ってなっても、性能が良いPCなら仕事でもゲームでもその他創作でも使い道は全然有りますし、DAWも無料/体験版の段階ならノーダメージで済みます。
PC<DAW<ヘッドホン(<<<<<<その他なんか色々)
くらいに思っといて大丈夫です。

2.「DTM、『理解』っちまったぜ(続けられそう)」な方向け

・ヘッドホン<オーディオインターフェース<<<MIDIキーボード/コントローラー

とりあえず「何となくだけど作曲楽しいなぁ」まで沼った踏み込めた方が次に何を優先すべきか、こんな感じです。何でこの順番か、何でスピーカーが↑に無いのかについて、以降ざっくり書きます。
前編(当記事)がヘッドホンとスピーカー
後編がオーディオインターフェースとMIDIキーコンその他
で分けます。

3.ヘッドホン

・当たり前ですが…

無いと不便です、それはそうw リアルタイムで作ってる曲の音を確認する上で超大事なお供。

・どんな性能のを選べば良いのか

よく超優れものでこれ持っておけば間違いない定番としてMDR-CD900ST(SONY)が挙げられます、ちなみに私が使っているのはATH-M20x(audio-technica)です、が、比較的安価な後者でも¥7,000越えと決して安くは無い価格(購入当時より¥2,000近く値上がりしてて若干ショック、世知辛い)なので、とりあえずは

①長時間付けてても疲れにくく普段使いにも転用できるもの
②フラット=可能な限りそのままの音質で鳴らしてくれるもの
(「モニターヘッドホン」と名が付いてる製品ならとりあえず大丈夫)
③広範囲の周波数帯域を鳴らしてくれるもの
(迷ったらとりあえず18~22,000Hzくらいは出してくれるもの)

この辺りを基準にして下さい。いずれも検索かければ理由も併せて各メーカーの商品が続々出てきます、専門用語とか各製品の良し悪しレビューとかも見えちゃうと思いますが一旦見なくてOKです。一応「ヘッドホン/DTM/安い」で検索したら¥2,000以下&そこそこの性能のATH-EP100(audio-technica)が出てきました。ちなみにATHより前に愛用していたモニターですらないJVCの耳掛けヘッドホンも見つけたので載せときます(何でこれを使ってたかというと、安い&疲れにくい&12~24,000Hzと比較的広範囲の帯域を拾ってくれるから)。

・もうちょっと踏み込むと

↑の②「フラット=可能な限りそのままの音質で鳴らしてくれるもの」
私みたくベースミュージックを取り扱うのであれば「え?だったら重低音の聞こえ方が迫力ある内蔵アンプ付きのヘッドホンとかじゃ駄目なの?」って一瞬思うかもしれませんが当然駄目です。作ってる最中に特定の帯域がめちゃくちゃブーストされて聞こえる、あるいはノイズキャンセリングのように意図的に帯域やノイズを抑えるヘッドホンで作ってしまっていると、当たり前ですがいざ曲データとして書き出して他の媒体で聴いた際、以上に特定の帯域が迫力無かったり、逆にうるさ過ぎたり、作業過程では聞こえなかったノイズが混入したりという惨事が起きます。
なので作曲中に使うヘッドホンはそのままフラットに聞こえるモニターヘッドホンが基本。強制的に補正がかかるタイプの物は完成品に少なからず悪影響が出るのでNG、逆にフラットに聞こえるモニターヘッドホンで「最終段階(マスタリング)で聴いててある程度気持ち良い」まで持っていけるのが理想です。
これとは別に、「拾ってくれる帯域に限界が有る(12Hz以下が聞こえない/22,000Hz以上が聞こえない)」「製品の仕様上どうしても癖が有る(優等生のMDR-CD900STですら高音がややシャリシャリ聞こえるとのレビュー有)」等の対処については、「聴覚」だけでは無く「視覚」で対処可能です。具体的には「スペクトラムアナライザー(縦横軸で周波数や音量を測定視認出来るアレ、↓に画像)」で、引っ込めたい/ブーストしたい周波数帯域を確認、イコライザーやコンプレッサー等(プラグインの話になってしまうのでここでは聞き流す程度で)で調整するといった手法がベストです。というか、聴覚って割と当てにならないので、視覚面での確認が有る意味一番間違いないです。この辺りはでもまぁ、ある程度作曲できる段階になった方が必要に迫られたら実践すればOKです、というかいずれ絶対必要になります。

Voxengo社のSPANは視認性も良くしかもフリーなので愛用しています。
何ならFL Studioでも画面上に小っちゃい簡易スペアナが表示されるので、極論、ざっくり程度の確認ならこれでもOK。

4.スピーカー

・無くても良い

もちろん有ったら便利、というか「鳴らせるもんなら当然存分に鳴らして確認したいに決まってるだろ!」ですが、無くて大丈夫です
『防音設備が有る/騒音を全く気にしなくていい環境である/そして金もある』であれば用意する事をおススメしますが、実際のところアパートや住宅密集地など、時間帯問わず音楽ぶち鳴らせば騒音問題に繋がりかねない居住環境の方が多数だと思うのでこればかりはどうしようもない(仮に置けたとしても「正しい置き方(リンク先は島村楽器さん)」とか結構難しい)。
とはいえ、ヘッドホンだけでは「音の広がり(定位)」が分かりにくかったり、後述しますが実際に何らかの形でスピーカーで鳴らした際に違和感を感じるといった問題も有るので、ここでも↓の画像の通り、「ベクトルスコープ」でステレオ感を視認するといった「視覚的に」確認する方法がおススメです。

FL StudioにはWave Candyという、ベクトルスコープ含む4つの視覚パラメータを備えた純正プラグインが有り重宝しています。有償のプラグインになるともっと詳細に定位や奥行を視認出来るプラグインも。
視認とは違うんですが、Dotec-AudioのDeeSpeakerという「1メートル先に45度で置かれたスピーカーをヘッドホンで再現」してくれるかなり便利なプラグインが有ります、しかもフリー公開とか気前が良過ぎてヤバい。

・色んな媒体で聴いてみる

↑のように、視覚的に定位を確認出来る、或いはスピーカーで聞こえる様な音を再現するといった手段が有りますが、やはりヘッドホン以外の手段で確認したい。その場合は大音量で/高価なスピーカーじゃ無くても先述の通り「何らかの形で」色んな媒体で鳴らして確認するのも有効な方法です。それはノートPCやディスプレイに標準搭載のスピーカーでも良いし、スマホ経由でスマホのスピーカーから鳴らしてみても良いし、(私なんかはこの手段を取ってますが)自家用車のカーステで鳴らしてみても良い。実際にお金払ってスタジオを使ったり友達の家がスピーカーぶち鳴らせるから試させてもらったりなどでも良いですね。

5.参考にしたい曲を決める

ヘッドホン/スピーカー共通で、自分が作りたい曲/ジャンルに近い・理想とする参考曲(=リファレンス音源)は絶対必要です。参考曲の波形や周波数帯域の分布、音の定位、もっとざっくり言うと音の広がり方や質感を、がっつり聞き込んで叩き込んで自分の曲作りに生かしましょう。ある程度作曲に慣れると、何となくどこの帯域をブーストしてどこの帯域を削ってどのパートを広がり持たせて…あぁちょっとは参考曲に近づいてきたなってのが分かってきます。

前編はとりあえずこんな感じです。とりあえずヘッドホン選びまぁまぁ大事くらいに思って貰ってOKです。
後編はオーディオインターフェースやMIDIキーコンその他と、恒例の失敗談になる予定です。