備忘録② 夏期講習 高3共通テスト現代文対策 ~実用文編~

 いったん夏期講習が終わりました。後は後半に私立大学対策がありますが、ひとまず頭の整理も終了。私大は大学別の傾向と対策に尽きます。配点バランスと共通テストには出ない問題(漢字の書き取り・空欄補充・脱文補充・記述)。これはもう慣れです。基本的な枠組みは共通テスト対策で抑えつつ、応用させていく。2学期以降で更に具体的にしていきます。

 さて、前回途中で終わってしまったので今回は実用文について触れていきます。複合型問題の解き方は共通テスト導入後に行ってきましたが、本年度より配点と時間が変わり、一つの大問として組み込まれることになりました。20点はかなり大きいと思っています。各大問から小問が1つが減らされ、その分が実用文になったイメージ。

 しかし、予想問題を見てみると、どうもこれまでの解き方では対応が難しい気がしていました。そこで、今回は1コマ使って実用文だけの講座を設けました。その準備の際に、実用文と問いを読み込んでいく過程で気付いたことと解法を述べます。

 まず、実用文とは何なのか。具体的には「グラフ」と「表」、それに関連した「文章」。これらを関連させた問題です。これまでの評論、小説は軸となる筆者の主張や物語があり、全体把握→問い(出題者の意図)によって解法を試みる形が一般的でした。これは、私が解いてきたセンター試験、遡ると共通一次試験から基本的な解法は変わりません。そのため、一度全文を読み、問いの付近を読み、選択肢を吟味して答えを選んでいきます。

 しかし、実用文問題を読む中で気付いたのは、全体把握をしなくても解ける問題が多いということです。従来はその把握に時間をかけていましたが、そうではなく、「どれを読むか」。複数の情報の中で、何を読むべきか見極めてその部分から正誤を判断する。全て完全な消去法になる問題が多い。解くために必要な情報は、「問い」と「選択肢」自体にある。これは大きな違いです。その為、全体を読むのではなく、問いや選択肢から読む方が時間短縮に繋がると考えました。

 現代文ではなく、公民のような印象。これまでは文章(筆者の主張・物語の意味)→傍線部・問(出題者の意図)→解答だったのですが、間に挟まれた主観、僕は情緒だと思っているのですが、感情の読み取り部分を飛ばして、与えられたもの(数字)自体から正解を探すものになりました。

 具体的な解法に関しては、

① 問と選択肢を読む
② 見るべき情報を見て、正誤判断で削る

 が最も効率が良いと考えます。

 この実用文に関して、国語を教えるものとして感じたことがあります。これまで読み込んだことはなかったのですが、とにかく読んでいて面白くない。普段は問題文を読むのが楽しいんです。評論も小説も。これは仕事柄且つ、自分の施行とか半分は趣味みたいなものなのですが。しかし、図やグラフを読んでも全然面白くなかったんですね。なんでだろうな、とその要因を考えていて、とりあえずどうやって解けばいいのか、教え方を考えていた時に気付きました。

 表やグラフは「生きていない」んです。データは数字。それを用いた人々の思念や情念がそこにはない。だから国語に親しんできた僕にとっては面白くなかったのか、と思いました。実用文問題を解き、読み込んでいくと、選択肢は大きく二つに分かれることが分かりました。一つは絶対。これは数値の正しさの正誤。もう一つは相対。これは比較の正誤。ただ、これは例えば多い/少ない、~%・~割、~以上/以下といった数字から読み取れるもの。だから、0/100の判断でしかない。これまではこれらを用いた筆者の考えを読み取る(知る)ことで問題を解いていた。その過程自体がそもそも違う。筆者の意見自体の妥当性を問うのではなく、解く人自身が意見を述べるとしたらどうしますか?という問題なのです。

 そりゃ今までの問題に比べて面白くないよね。。って思ってしまいましたが、この力が今の時代の現代文でもあるんですね。



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