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回顧録:空と海に続く道

悲しみを奏でるには
いくつ 方法があるのでしょうか
何かの音に変えて 人は それを
懐かしんでは 想い出すのです

あなたが 幼い頃 
流れる川に
そっと 解き放った ささ舟のように 
頼りなく 流れるままに

いつまでも川辺で 行方を見守った時
想いを込めて 見送る心に 
聞こえる音になりました


それでも 僕の ささ舟に 
のせて
流す悲しみには

忘れる事のできない温もりがあり 
これは 真っ白な雲になり 
先に流れて行きました


僕たちの 空と海に続く道には


見えない宝石が 散りばめられて


遠いあなたの

あなたの横顔が 
夕陽に焼かれては
胸に 熱く
輝くのです


僕は そんな刺激に いつまでも
抱かれていると 信じてしまい 
時が巡るものだと 知らずにいたのです


今も ずっと
もっと 遠くて

その空と海が
泣いているみたいに 聞こえてしまい
僕を 抱え込んでは 激しく揺らすのです



こんなにも
苦しくて
痛む胸を


奏でる方法を
他に知っているならば




僕の

すぐ耳元で
奏でる音符を
教えて欲しいのです


空と海に
続く道の
真ん中で

忘れようともがくのは
とても愚かな事なんです

あなたの
潤んだ瞳と
澄み切った声に


宿る精霊が
再び
僕を

蘇らせる 魂の奏でる
詩篇と 知っていたならば

あなたは決して
あきらめなかった

悲しみを奏でたら

僕にしか聞こえない あなたの声で


それが あなたの 幻影で
僕を 最後まで 連れて行く


空と海に続く道は
時を超えた
終わりのない果ての果てまで

あなたと
僕だけの


永遠に
続く

空と海と

そして


僕の
あなたという
愛そのものを




20240415teo






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