キミの虜に

僕のゴールは　君を頷かせることだった
あれもして　これもして　色んなことを試してみたけど　

うまくいった試しがない
けど　それが君　
誰にも縛られずに　他を支配してしまう　
それが君　

ある日
僕は奴隷のように　支配されたかった
君の言いなりに　なりたかった

君を振り向かせたかった
独り占めしたかった

でも全然
ダメだった

愛されたい　思われたい

だから

今度こそ　本当に　もっと近づく
そう思って　手紙を書いた

こんなの要りませんわ

バカな僕は
あっさりと嫌われる

誰か　恋のエキスパートがいたら　教えて

いつも
不発に終わる恋
ストライクゾーンに行かない不器用なピッチャー

そんなに
好きでも　
不器用だから
他に思いつかない
手立てがなくて

本当は　
笑わないでほしい
嫌わないでほしい
終わらないでほしい
行かないでほしい
振り向いてほしい
一度だけ　
好きになってほしい

だけど
そんなふうに　振り向かない君が
本当は　もっと好きかな

僕は勝手に　池の中を泳ぐ　鯉でいい

今は

君の愛の範囲にいない僕は
携帯電話の圏外と同じに

深く
深く

撃沈してる

窓から見えた下弦の月

ねぇ
お月様　どうしたらいい

素敵な月に　きいてみた

夜　が　綺麗だった

そして
夜　は　素敵だった

夜を纏った君

キミの虜に
なっていた
夜の思い出

2024/03/06 teo