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論文マラソン37 『卒業制作 日本画聚英』

こんにちは。午後も頑張ります。
今度は、京都市立芸術大学美術学部編『画学校〜京都芸大一〇〇周年記念 卒業制作 日本画聚英』(京都書院、1980年)に掲載されている論考を紹介します。

この画集には京都市立芸術大学所蔵の卒業制作のうち、明治28年4月から昭和24年3月卒業までの日本画の全作品が収録されているのだから、貴重です。
パラパラ見るだけでも、早い時期には歴史画が多く、花鳥・動物のイメージの強い京都日本画の変遷がよくわかります。

巻末には、御大お二人の若かりし日の論考が掲載されています。

1.原田平作「画学校、美工、絵専、美専が美術界に送り出した作家たち―美術館の窓からみる―」

こちらは、日本画、洋画、彫刻、工芸、書と版画について順番に分析されていますが、特に日本画について、学校に関わらない人から見ているのが面白いですね。そう、画学校時代の途中から女性が排除され、女子学生は昭和20年4月まで入学できなかったのですね。ほかにも、学校と関わってない人もポツポツいるのも、面白いなあ、と。

12分。

2.榊原吉郎「画学校から芸大へ」
目次構成:
 1.画学校創設の背景
 2.画学校開校の経過
 3.画学校から美術工芸学校へ
 4.絵画専門学校設立とその展開
 5.美術教育の変遷

カリキュラムの分析をされている中で、「写生」の意味が今日のスケッチ的な意味と当時は違っていることを指摘されているのが面白く思いました。制作もされていたからこそ、よくわかるのでしょうね。

20分


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