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論文マラソン39 中村麗子「明治期から昭和初期における伊藤若冲の受容について」

ご無沙汰の論文マラソンです。
今日の論文は、中村麗子さんの「明治期から昭和初期における伊藤若冲の受容について—文献分析を中心に—」(『美術史論叢』19号、2003年)です。
もう20年前の論文になるのですね・・・。再読しました。長めの論文だけど、面白くて一気に読みました。

若冲が、明治初年から昭和10年頃までに雑誌でどのように紹介されていたかを、網羅的に調べた上で、日本美術史の書物の上での評価も考察した論考です。

目次:
明治期
明治末年から大正期、昭和初期
光琳との結びつき
日本美術史の中の若冲
おわりに

明治22年に「動植綵絵」が御物になるのですが、その前、明治21年に久保田米僊が若冲について調べて、若冲像を描いて相国寺に寄進している、って面白いですね。どんなのだろう・・・

御物になると、「動植綵絵」を見る機会が減っちゃって、若冲への関心は静まるんですが、大正14年から昭和2年にかけて、第1次?とも言えそうな若冲ブームが起きるんですね。それは展示で「動植綵絵」を見る機会がこの時期多かったことなどが影響しているらしい。そして、石崎光瑤さんによる若冲作品の発見も大事!

いろいろ面白いですね。

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