リバティアイランドと川田将雅騎手

日付変わって昨日10月15日、奇しくも川田将雅騎手の誕生日に、史上7頭目の三冠牝馬が誕生した。

ぼくが競馬を見るきっかけになった馬が、2020年に三冠馬となったコントレイルなのだが(きっかけとかは書くと長いので割愛)、コントレイルが三冠馬になったタイミングではまだリアルタイムでは競馬を見ていなかった。

そのため、ぼくがリアルタイムで三冠達成の瞬間を見ることができた初めての馬。それがリバティアイランドである。

昨日の秋華賞、直線ではイクイノックスやディープインパクトのような、「強い」「間違いなく勝つ」と感じさせる走り。向正面でスっと外に出した川田騎手の手綱捌きも素晴らしかった。

思わず、いや強いなと口に出してしまった。なんというか、確定演出という感じ。負けることがあり得ないんじゃないかと思わせる。

思い返すと昨年の夏、新潟で上がり31.4の超豪脚で華々しくデビュー。当時から(と言ってもたった1年前だが)かなり強い馬なんじゃないかと思い、その後の動向も少しずつチェックしていったりしていた。

しかし馬場の高速化や新潟という競馬場の特性から出た時計だという声も上がって、リバティの実力と上がりの時計を≠とする見方もあった。そのためこの時点では本当に怪物級なのかは判断しかねる所があったと思う。

だが次走唯一土がついたアルテミスステークスでも、差し届かなかったものの負けて強しの内容で、その後も川田騎手がこの馬に騎乗するために香港へは行かずに挑んだ阪神ジュベナイルフィリーズで圧勝。

この時点で来年の3歳牝馬はこの馬だな、上手くいけば三冠もワンチャン…?と思っていた。

その後、明け3歳初戦桜花賞はほぼ最後方から直線ごぼう抜き、二冠目オークスでは川田騎手がリバティのためにあえて最後まで追い、6馬身差の大勝。

そして三冠目も危なげなく完勝。

川田騎手がこの馬に注ぎ込んでいることは、自分の全てだと会見でも話していた。

川田騎手の騎手人生20年の全てを注ぎ込んでリバティとの時間を過ごし、単勝1.1倍という超人気のプレッシャーも跳ね除けて見事に勝ち切った。本当に感動した。

なんか、川田騎手とお嬢さんの関係性というのは、ひとつのドラマを見ているようだった。

川田騎手が著した「頂への挑戦」ももちろん拝読して、競馬という仕事に対する向き合い方とか、どうすれば結果を出せるのかとか、色んな川田騎手の考え方などを知ることができたが、それら全ての集大成というか、もう全て、全てがあの結果を生み出したんだと思った。

川田騎手は勝利後、ジョッキーカメラの映像で最高の景色だと言っていた。

それはリバティが生み出してくれたもので、それに対する感謝も含まれてたのかな、とも思った。

でもぼくは、この景色は川田騎手がつくり出したものでもあると思った。

オークスの前に、お客さんに2秒声を出すのを我慢してほしいとお願いしたり、そんな川田騎手の見ている景色を我々も見ることができるジョッキーカメラの設置なども、川田騎手がやってきたことである。

いまの日本競馬界の軸となっているし、少しでも競馬を盛り上げたいという想いもとても伝わる。

そして全てを注ぎ込んだリバティが、最高の結果で応えた。

川田騎手とリバティアイランド、この両者が互いに最高の結果を出したことで、最高の景色をつくり出したのだと思う。

頂の挑戦に書いていたことやそれ以外の全てを注ぎ、香港にも行かず、リバティのために追い、そして遂に三冠という頂にたどり着いた。

この馬とこの騎手を、そしてこの両者が作り出した最高のレース、そして最高の景色を、リアルタイムで見ることができて本当に良かった。

なんだか書きたい気持ちだけが先走って上手く書けないが、とても感動したし、これからも強いリバティアイランドと川田騎手を1レースでも多く目に焼き付けたいと思っている。

本当におめでとう、そしてありがとう。



ちなみに馬券は外した。

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