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買ったのに読んでない本が面白そうだから紹介する

 皆さん本を読んでいますか?僕は全然読んでません。最近、昔にもまして目が滑ってしまうようになりました。長い事活字と触れていない弊害だとおもいます。Twitterは活字ではないらしいです。

 しかしながら、面白そうな本は世の中にいっぱいあります。読んでない本がたくさんあるのに手を伸ばしてしまったり、インターホンを鳴らされて受け取ってしまったり、いつの間にか玄関の前においてあったりするわけです。

 今回は自戒を込め読んでない本を紹介し、どうしたら読めるようになるのか考えていきたいとおもいます。恥を忍んで。

 読んでないので内容はAmazonとかからの引用です。読んでないので読まなくても文章は成立しているはず。


村上 春樹 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

 高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫)

 村上春樹といえばこの作品を思い出す人も多いのではないでしょうか。僕もそうでした。村上春樹を読みたいなと思ったのは人生相談かなんかの文章がめちゃくちゃ読みやすかったのと、文体模写とかで見る文体がかなり自分にあっていると感じたからでした。あと、SFの素養がまったくないので、第一歩としていいのではないかとおもい購入。
 あらためてあらすじ読むとめちゃ面白そうですね。機械/科学っぽい感じだけではなく幻想的な風景も思い浮かぶ。単なるサイエンス・フィクションではなくサイエンス・ファンタジーだ。読んでないけど。
 名作の長編物語はあとまわしになってしまうな…そもそも、映画とかアニメとかも結構尾を引くタイプで一週間ぐらいその作品のばかり考えてしまったりするので結構気合が必要。とはいえ、漫画とかは急に一気に読んだりするのでやっぱり人それぞれ合う媒体があるのだろうと思う。読みます。


森 毅 『数の現象学』

いかめしい漢字がならぶ哲学用語も、もとをたどれば日常語に源を発し、西欧の人々にはわかりにくくはないという。自然数・加法減法・分数・倍・積・比率なども、そっ気なく抽象的すぎて見えるかもしれないが、じつは文化の色合いをそこここに残している。現代数学さえも日常の深みに浮いている。その深みを覗き見ると何が見えてくるのか?歴史・文化から教育にも幅広く関心のある数学者ならではの、思いがけない兎穴から入り込んだ興味つきない数の迷宮!タテ×ヨコはなぜ面積?など、子どもに問いつめられる親たちへのヒントも満載。高次の数学の読み解きのヒントにも。

数の現象学 - 森毅

 森毅の著作『すうがく博物誌』が大好きで擦り切れるほど読んでました。先に『すうがく博物誌』の話をします。「もっとも、これは数学へのガイド・ブックではない。アルプスへ登るためのガイドだと大変だろうが、山に登る前に、そこに咲くエーデルワイスの花を見るのもいいではないか。」というあとがきが良くこの本を表してます。数学のちょっとした面白い四方山話を五十音順で語っていく。まるで本質なんか見向きもしませんみたいな書き口なのだけど、振り返るとこれは結構踏み込んで書いているかもというものもある。
 話は戻って『数の現象学』。わざわざ「現象学」をタイトルに持ってきて『数の現象学』とはあまりに重苦しい書籍です。数学と哲学なんていっちゃんむずい。しかし「著者:森 毅」とつくだけで、これはとっつきやすい本だろうと思わせる。賢ければ小学生でも楽しく読めるのではないかと、読んでないからしらんけど。『すうがく博物誌』はそうでした。
 だからきっとこの本はおもしろい。現象学か数学の方かはわからないけどどっちかの理解が深まるはず。でもなぜか一緒に古本安売りされてた『ソクラテスの弁明 クリトン』だけ読んで放置している。一緒に買った本を読むともう一個放置してしまうのかな。読みたいので読みます。


R-指定 『2022年日本語ラップの旅 -Rの異常な愛情 vol.2-』

最強のバトルMC、そして大人気ヒップホップユニット・Creepy NutsのR-指定。
2018年12月に始まり、現在も行われているイベント『Rの異常な愛情──或る男の日本語ラップについての妄想──』の書籍化第二弾。
彼が偏愛してやまない日本語ラップのレジェンドアーティストの名盤・リリック・スキルを、聞き手を務めるライター・高木"JET"晋一郎とともに分析&妄想して徹底解説!
雑誌『BUBKA』連載時より加筆&脚注追加が行われ大幅にボリュームアップ!
日本語ラップ通からヒップホップ初心者まで、ぜひとも読んでいただきたい一冊に仕上がりました。

2022年日本語ラップの旅 -Rの異常な愛情 vol.2-

 vol.1は読みました。面白かったです。二冊同時に買って一個読んで放置しています。上と一緒ですね。日本語ラップにハマるのが遅くすべてが後追いなのですが、R-指定及びCreepy Nutsのお陰でなんとなくHIPHOPわかる、少なくともHIPHOP好きぐらいになりました。どうしてもHIPHOPはアンダーグラウンドとオーバーグラウンドの隔絶があり趣向もどっちかに寄ってしまういがちだが、R-指定の語り口は幅広くインターネットラップからメジャーシーンまで網羅するため全容をつかみやすい。この姿勢は自分も含め最近のHIPHOPヘッズに影響を与えているではないかと思う。
 とはいえ、本の中では脇道に寄らずピンポイントに王道を抑えているまさにHIPHOP基礎といった内容だ(しばしば基礎は応用よりも深く難しいという点も似ている)。
 一冊目を読んだあと、本に出てきた曲のプレイリストを見つけて繰り返し聞いているうちにいつの間にか二冊目は本棚に行ってしまいました。そろそろ読みたいね。二冊目で特に気になるのは「ケツメイシ」ですね。メジャーシーンで活躍しながら、僕はちゃんと通らなかったので横目で見ていたものの答え合わせをしたい。読みます。


フロイト 『精神分析入門』

精神病の命名と分類に終始していた伝統的精神医学に対し、自由連想の採用という画期的方法によって症状の隠された意味を探る精神分析を創始して、二十世紀文学にも多大な影響を与えたフロイト。本書は、1915年から17年までウィーン大学で一般向けに行われた講義の記録であり、明快な論旨の進め方、啓蒙を目的とした対話的手法で書かれた最適の入門書である。

精神分析入門(上) (新潮文庫)

 当分読みません。多分大学の授業で買ったのかな。映画分析と精神分析は双子のような関係ですので、曲がりなりにも映像を大学で勉強していましたから買わざるをえなかったのです。これが本棚にないとは学生としていかがなものかと。まあ読んでないんですけど。しかも映画もあんま見ないし。授業で使ったので全く読んでいないわけではなくなんとなく多分上巻の前半ぐらいは内容知ってるかな~ってかんじです。本棚にあったらかっこいいのでおいてます。
 というか、本当に精神分析を今勉強したいのであれば、こういう原文の翻訳ではなくて、もっと入門書とか読んだほうが良さそうだし、そもそもラカンとかのほうが良くないか?てかラカン読みたいな。疾風怒濤精神分析入門よみたいです。

成瀬 正樹 『コード進行スタイルブック』

2001年の出版以来、10年の長きにおいて常に読者の支持を受け続けたロング&ベストセラー『コード進行スタイル・ブック』がリニューアルされ、『決定版 コード進行スタイル・ブック』として再登場。新装化に際しては「読みやすい」「わかりやすい」と高評価をいただいた部分はできるだけそのまま踏襲し、誌面の見やすさの向上と、コード進行理解の補助として紹介している参考曲のアップデートに努めました。掲載しているコード進行のパターンは100以上(すべて既存の楽曲における実例付き)。さらに、コード理論自体についてのていねいな解説も付属しているため、初心者向けコード理論本としても十分役立つ内容になっています。オリジナル曲の制作や耳コピのスピードアップのために、信頼と実績を兼ね備えた本書をぜひ活用してください。

決定版 コード進行スタイル・ブック

 コード進行の本何冊か持ってるんですけど、これまだ読んでないですね。もちろん実践してない。どの曲のどこで使われているかが書かれていてめちゃくちゃ使い勝手が良さそう。普通に忘れてた。使います。別に通読しなければならないものでもなし。いやでも通読も良さそうな本です。今手元でぱらぱらめくってます。色々コード進行紹介して最終章が「1コード/2コード」なの熱いです。読んでないので本当に実践で使えるかは知りません。読みます。


櫻井 歓 『今を生きる思想 西田幾多郎 分断された世界を乗り越える』

西田の哲学的思索は、世界の真の姿を見極めようとする実在の探究であり、それは一つの根本的立場から世界のすべてを説明しようとする努力であった。それはまた、近代日本における個の自覚――個人としての自己の自覚――の思想という性格をもっていた。その内実は〈自己と世界の関係〉の思想として読むことができる。自己と世界の関係は、特定の時代のなかで具体的な表れ方をとるものであり、人々の分断が進む現代において、私たちの自己と世界との関係を西田哲学から捉え直してみることが本書のテーマとなる。このことはまた、視点を変えてみれば、現代に通じる西田の思想のアクチュアリティ(現実性)を問うことでもある。まさに「今を生きる思想」として西田を読み直すこと、それが本書の課題であるといってもよい。 ――――「はじめに」より

今を生きる思想 西田幾多郎 分断された世界を乗り越える (講談社現代新書)

 哲学書って読めないですよ。難しい。ただでさえ滑る目が外のスマホまで行ってしまう。哲学書は様々な理由で難しく書かないといけなくなっていると聞いたことがあるのである種仕方ないのかもしれないですが……。
 とはいえ僕も「純粋経験」とか「善の研究」とか話している内容には大変興味があるわけです。そこで入門書とかの出番なわけですが、これもこれで入門書も難しかったりするわけです。そこまでいくなら読まなければいいのですが……でも僕も哲学読みたい知りたいのです。
 そこで新書で哲学を教えてくれる本を見つけて買ったわけです。100ページで教養を学ぼうっていうシリーズらしいです。悪い言い方をするとファスト教養ってやつですね。でも入門にちょうどいいなーと思って。石川県で西田幾多郎が生まれたのか?というところまで読みました。すみません。ファストフードすらめんどくさくてUber頼んだけど玄関前においたままで冷めるみたいな怠惰。
 100ページしかないことを今知ったので、ちょっと時間かければ読めるかも。明日にでも読もうかしら。とにかく読みます。

ダニエル・シフマン 『Nature of Code -Processingではじめる自然現象のシミュレーション』

物理や数学の法則・公式といった自然界のルールを再確認し、動くオブジェクトや複雑なシステムをProcessingで記述していきます。プログラミングで<何か>を行いたいときに<どのように>考え、表現していけばよいかが、最小限の労力で分かるようになります。
      (中略)
サンプルコードと画像がふんだんに掲載されているうえに、実行結果をWebサイト(英語)で確認する、コード全体をダウンロードする、著者が本書の内容を楽しく解説した動画(英語)を見るなど、Processingを使って自然現象をシミュレートする方法をいくつもの方法で習得することができます。

Nature of Code -Processingではじめる自然現象のシミュレーション

 あれ、なんで読んでないんだろう。何冊かジェネラティブアートの実用書はあって、こんだけ本とか放置しがちな僕でもジェネラティブアート系は早めに実践に移すのですが。ページを捲ると読んだことあるのもあるので、いくつか同じような本を買って大きいから後回しにしたかな。そういうの多いな…。
 基礎から応用 、本書でいうとベクトルからニューラルネットワークまで幅広く拾いながら(正直ニューラルネットワークとベクトルは距離ないかもですが一周回ったということで……)、軸は「自然現象のシミュレーション」からずれない。混沌と秩序の間にある偶然性を見出すことでジェネラティブアートの美しさは生まれる。同様に自然現象とは混沌と秩序の間にある偶然性なのでこれをシミュレーションすると美しい作品が生まれるわけです。良書(読んでないけど間違いなく)。読みます。

パウル・クレー『造形思考』

20世紀初頭、ヨーロッパではキュビズムやシュルレアリスムなど、新たな芸術運動が波涛のごとく沸き起こった。その中でいかなる思潮にも染まりきることなく独自の思索を深め、多様な作品を創作し続けたことで一際異彩を放つのがパウル・クレーである。本書はクレーがバウハウスで教鞭を執っていた時期の論文や講義草稿などを集成。絵画の世界にとどまらず、ブーレーズ、ベンヤミン、ドゥルーズらにインスピレーションを与えた思索のあゆみをつぶさに伝える貴重な資料である。スケッチ、作品等の図版を上下巻で総計1000点超収録。

クレーっていいですよね。サカナクションがクレーの絵を見て落ち込むのもわかります。(サカナクション『Klee』)

(多分)国立西洋美術館でみたクレー

 音楽からインスピレーションを受けた温かくも冷静な抽象画は僕の心にもぐっと刺さったわけで、どういう考えで作品を作成しているのか知りたくなりました。
 で、読み始めたらめちゃくちゃ固有名詞出てくるな……ってところで栞を挟んでおいてあります。あれ、これまえがきで挫折しているのでは。もしかして読み飛ばして良かったのでは???最近買って、う~~んってうなりながら滑る目を戻していたのだけど、無駄な努力だったかも。いやでもな~やっぱり来歴とかは知っておきたいよなぁと、こういう律儀な読み方をすると読めなくなってしまう。読まないより読むほうが自分には良さそうなので、もっと雑な読書を目指したい。どうせちゃんと読んだってちゃんと読めないのだから。
 とにかく今一番読みたいのはこれです。読みます。

 余談ですが、サカナクションの『Klee』は「読めない本 積み重ねて」から歌詞が始まります。こっちは忙しくて読めないって意味っぽいですが…

今井 むつみ, 秋田 喜美 『言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか』

日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。
なぜヒトはことばを持つのか? 子どもはいかにしてことばを覚えるのか? 巨大システムの言語の起源とは? ヒトとAIや動物の違いは?

言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。
鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。

言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書 2756)

 ゆる言語学ラジオ、結局面白いですよね。ていうか今気づきましたけどこの記事と同じようなことやっていたな(一生読まない本を手放そう!積み本精霊流し【雑談回】)。本当に今気づいたので許してください。あと、ここに書いてある本は大体読もうと思っている本ですので手放しません。

 話は戻り、あのコンテンツ群を面白いなぁと思う反面、Twitterなどでゆるくない指摘をよく見ます。実際、生物の話など、横道にそれた話になるとあれ??って思うこともあったりするので、結構深めの内容を知っている人からすると気になる点はたくさんあるのだと思います。無批判で受け入れるのは怖いですね。

 その時、僕がするべきはエンタメと知識を分けることで、その知識を使えるようにするには一次ソースを読むことが必要です。この本は最適だと思い購入。こんなに本読んでないのに買っていいのか?と思いましたが。「千葉雅也氏絶賛!」の帯と「新書大賞」も背中を押しました。結局のところはまだ読めてないですが……。

 内容はオノマトペと子どもの言語習得を観察しながら、言語の本質を探っていくものです。ゆる言語学ラジオで言ってました。ここでいう言語の本質とは、言語の生まれる過程のことだろうか。誤解を恐れずこのタイトルを付ける心意気と自信がより興味をそそらせます。

 これを読んでないのは他の本読んでないからだけです。一気に読めちゃいそうだから置いてます。とはいえ週末にでも読んでしまおうかな。読みます。

まとめ

 どの本も面白そうですね。そんなに書くことないなと思って消した本もいくつかあります。読んでないので責任をもってオススメはできませんが、心からオススメはできます。面白そうなので。
 みなさんも読んでない本を薦める文章を書いてみていかがでしょうか。読んでない本をとっても読みたくなります。あとはこの勢いを殺さずに読書に繋げられれば……!
 ていうか、もっと簡単な物語とかから読んだら??目すべらないかもよ? 

 仕事でもないし、読書家でもないし、いつでも読める状態にしておくだけで十分機能を達成している本ってあります。だから買ったけど読んでないっていうのは全然ありな選択だと僕は思います。何事もタイミングがあるので。しかし、今日取り上げたものは間違いなく昨日までに読んでおいたら今日がより楽しくなったものだろうと思うので、この記事自体はかなり自戒です。

 オチで「買ったけど使ってない〇〇でお会いしましょう!」って文章書きたかったのですが、本より使ってないものってないですね。とりあえず、第二回がないことを祈っています!少なくとも今年はこれらを読むまで新しい本買わない!!!



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