法律と企業会計
規制(法律)と企業会計の違いは何か?
そんなことを考える日々です。
企業会計はある種の法律のように捉えられがちですが、法律とは一線を画しています。
もちろん、企業会計には法律的な要素もあります。
法律によって、大企業(上場企業)には財務報告の作成と報告が求められています。
ですが、法律で書かれているところは、形式的なものが多く、財務報告の詳しい内容、つまり作成方法については、会計基準に依拠することになっています。
会計基準は法律で定められているわけではありません。
各法律では、『公正妥当な会計処理基準(GAAP)に従う。』
と定められているに過ぎません。
こちらに分かり易くまとめてくださっています。
日本の会計は、一般に公正妥当と認められる「公正なる会計慣行」を規範としています。公正なる会計慣行とは、1949年に大蔵省企業会計審議会が定めた「企業会計原則」を中心とし、以後、経済・社会の変化にあわせて同審議会が設定してきた会計基準と、2001年からは企業会計基準委員会(会計基準の設定主体が変更)が設定した会計基準を合わせたものを指しています。そしてこの会計基準は、経済の多様化、グローバル化に伴う国際会計基準とのコンバージェンス(統合化)をベースに会計ビッグバンと呼ばれる大改正が加えられました。
つまり、法律には、企業会計の形式的な要件について定められているのみで、後の詳細については、「法律ではない」会計慣行によること、となっています。
ここでは会計慣行と書かれていますが、表現は金商品と会社法で微妙に異なります。
「この法律の規定により提出される貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する書類は、内閣総理大臣が一般に公正妥当であると認められるところに従つて内閣府令で定める用語、様式及び作成方法により、これを作成しなければならない。」(金融商品取引法193条)
「株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。」(会社法第431条)
法律は直接、企業会計に干渉せず。
ここに企業会計の大きな特徴があるな、と思います。
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