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SDGsの理念とは何か?猫も杓子もSDGs?

今回の狙い:SDGsの啓発において必要なことを自分なりにまとめてみました。

内容の要約:

昨今、SDGsの理念を十分に理解しないで実行されている取組みが多いように感じています。SDGsには、「誰一人取り残さない-No one will be left behind」ことが掲げられている事、それを達成するための17の包括的な目標とそれに紐づく169のターゲットが掲げられていることを知っておく必要があるのではないでしょうか。この17の目標を全て満たすために「経済成長」、「社会的包摂」、「環境保護」を同時に進めていく『社会的なイノベーション』が求められています。さらに掲げられている17の目標が5つのP(人間、豊かさ、平和、パートナーシップ、地球)に落とし込まれていることを最低限、知っておく必要があるのではないでしょうか。

*当方、SDGsの研究者ではないので、その道のプロバーなので、誤解があるかもしれません。遠慮なくご指摘ください。誤字脱字は適宜修正する可能性があります。

1. 今回の文章を書くに当たっての趣旨 

最近、猫も杓子もSDGs・・・となってきた気もします。思えば、昨年は全くといっていいほど知名度なかったような気がします。これも政府、企業の広報戦略の効果でしょうか?ある意味、凄いですし、恐ろしい気もします。SDGsの詳しい考え方については国連広報センターからデータが取れます。こちらが本家なので、おすすめ。英語サイトはもっと情報量が多いです。こちらもお勧めです。

2. SDGsにおいて大事なことは何か?

 ここではこうした資料を使いながら、SDGsにおいては「その理念を理解することが大事なのでは?」という事をお伝えしたいと思います。

SDGsの理念としては、「誰一人取り残さない-No one will be left behind」ことが掲げられている事、その理念を実現するために、17の目標が掲げられている、という事が重要です。誰一人取り残さない訳ですから、その目標の中には、貧困の撲滅(目標1)や気候変動への対処(目標13)だけでなく、ジェンダー平等(目標5)や包摂的な持続可能な経済成長、雇用(目標8)など、先進国も共同して取り組む必要がある課題が掲げられています。SDGsは、MDGs(8つの目標、21のターゲット)を発展的に拡大したもので、2030年を達成期限として、17の目標とそれに紐づく169のターゲットが定められています。先進国、途上国、新興国が一体となって地球規模の課題に取り組むといったところに特徴があると言えるでしょう。

以下のスライドはMDGsからSDGsへの流れをまとめたものです。

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国連広報センターは、SDGsの定義と3つの側面について次のように説明しています。

・持続可能な開発は、将来の世代がそのニーズを充足する能力を損なわずに、現世代のニーズを充足する開発と定義
持持続可能な開発を達成するためには、経済成長、社会的包摂、環境保護という3つの主要素を調和させることが不可欠

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 上記は私なりの理解に基づいて書いた関係図です。SDGsのコンセプトから考えると、この3つ主要素が相互関係になっており、『不可分である』という事を意識する必要があります。もう一つ大事な要素があります。5つのPです。

2. 5つのP

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(出所)国連広報センター資料より

 この5つのPは、SDGsで掲げられた目標でもあり、要素ともいえるものです。上の図は国連広報センターからの情報から転載です。この図が素晴らしすぎたので、転載しました。多分大丈夫だと思いますが、注意された削除するかもしれません。この図はよく出来ていまして、それぞれの要素が繋がっている、という事が分かると思います。なぜ、これらの要素が繋がっていると言えるのか、というと5つのPの要素と17の目標の関係を整理したものをみると理解できると思います。

・人間(People) – あらゆる形態と次元の貧困と飢餓に終止符を打つとともに、すべての人間が尊厳を持ち、平等に、かつ健全な環境の下でその潜在能力を発揮できるようにする(目標1、2、3、4、5および6)。

・豊かさ(Prosperity) – すべての人間が豊かで充実した生活を送れるようにするとともに、自然と調和した経済、社会および技術の進展を確保する(目標7、8、9、1および11)。

・地球 (Planet)– 持続可能な消費と生産、天然資源の持続可能な管理、気候変動への緊急な対応などを通じ、地球を劣化から守ることにより、現在と将来の世代のニーズを充足できるようにする(目標12、13、14および15)。

・平和 (Peace)– 恐怖と暴力のない平和で公正かつ包摂的な社会を育てる。平和なくして持続可能な開発は達成できず、持続可能な開発なくして平和は実現しないため(目標16)。

・パートナーシップ(Partnership) – グローバルな連帯の精神に基づき、最貧層と最弱者層のニーズを特に重視しながら、すべての国、すべてのステークホルダー、すべての人々の参加により、持続可能な開発に向けたグローバル・パートナーシップをさらに活性化し、このアジェンダの実施に必要な手段を動員する(目標17)。

17も目標があると思われがちですが、それらの目標は5つのPに落とし込むことが出来ます。3つの主要な要素と5つのPを理解しておくことが、SDGsを理解する上で重要なのではないか、と考えています。

というのも、最近、理念的なことをうっちゃって、なんちゃってSDGsのような取り組みが巷にあふれている気がしています。あまり小難しいことを言うと実行できないのがSDGsですし、「できる事から」というコンセプトなのだと思います。ただ、SDGsの根底にある「誰一人取り残さない」理念を実現するためには、経済成長、社会的包摂、環境保護を同時に進めていく『社会的なイノベーション』が求められていることを理解する必要があるでしょう。さらに掲げられている17の目標が5つのP(人間、豊かさ、平和、パートナーシップ、地球)に落とし込まれていることを最低限、知っておかなければならないのではないでしょうか。





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