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キャッシュ化までの流れをイメージする:飲食店をケースに考える

「事業の投資⇒キャッシュ回収」

事業を続けていく上での基本です。

事業を投資しているにも関わらずキャッシュの回収が出来ない。

それは最悪の事態です。

企業は慈善事業体ではありません。事業の投資をキャッシュとして回収できなければ倒産します。

今、新型コロナかで起きているのは、事業の投資が予定通り回収できなくなかったことによるキャッシュの不足で倒産、もしくは事業の縮小という状態です。

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なぜ、資金が回収できないと企業の状態が維持できないのか?

答えは簡単で事業維持に必要な最低限度の資金というのがあります。

考え付くものを上げてみてください。

営業が出来なくなったお店(飲食店)で必要になるものは何でしょうか?

例えば、

従業員の給料、お店の固定費(家賃)、その他の水道光熱費の基本料金(使用量が減らればその分だけ支払いは減りますが、基本料金は変わりません)、またストックしていた在庫(賞味期限が来れば廃棄せざるを得ません)

などがあるのではないでしょうか。

コストコントロール、つまり費用削減努力の観点からいえば、稼働率が落ちている状態でこれらの「何もしなくても払わなければならない固定費」をどこまで削減できるかが鍵になってきます。

従業員においては休職してもらう(ただし、休職中も一部給料は支払う必要がありますが、休職に関する国の補填を使えばある程度は補填できます)、在庫量を調整する、などは出来ますが、家賃やその他の水道光熱費などの費用削減には限界がありそうです。

また完全にお店を閉めていれば話は別ですが、とりあえず開けておかなければならない、という状況になれば、それに応じた従業員(バイトも)確保しなければなりません。

飲食業、サービス業のカギは稼働率です。

短い時間で多くのお客さんに利用してもらいサービスを提供し、その対価をもらうのか、そこにかかっています。

ガラガラのラーメン店といつも行列ができているラーメン店。

どちらが儲かっているかは一目瞭然でしょう。

もちろん、飲食店でも高級フレンチのように、密な状態ではなく限られたお客さんしか受け入れずに(一日に受け入れる人数が限られている)営業しているところは別でしょう。

こうした高級店の飲食であっても忘年会・新年会シーズンでの宴会で多くのキャッシュを得ていたはずなので、苦境にあることは変わりはありません。

いずれにしても、意識すべきは損益分岐点分析でしょう。

こちらにも書いているように、売上高に関係なく発生する固定費があり、その上に売上高に応じた費用が発生する変動費があります。売上が増えていって、固定費と変動費を上回ることになる点が損益分岐点です。

損益分岐点を下回っていればそのお店は閉店した方がいい(サービスの提供を取りやめた方がいい)と考えられますが、その一方で、一定程度の固定費が回収できていれば、お店を続けておくという決断もあるかもしれません。

今の状況はそんなところです。固定費がお店をあけても開けなくても発生するのであれば、開けて対応せざるを得ない・・・ということです。

では、外食チェーンの方が閉店のスピードが速いのはなぜでしょうか?

個人店は、そのお店を閉める⇒廃業、となります。

一方で、チェーン店は見切りが早く、採算が合わない⇒閉店して集約化、という意思決定をしがちです。

またバイトなどの整理しやすい人員が多いため、お店を閉めて正規社員を集約化して対応するという方向に舵を切りやすいともいえます。

そのように考えると外食チェーンがいち早くお店を閉める決断をしているのも納得ではないでしょうか。



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