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投資と会計の勉強の違い

雑談めいた話です。

投資の勉強をしたいから、会計を勉強したいです!という人がちらほらいます。

確かに会計を勉強することを通じて、自分が投資したい銘柄を選べる一助になります。

その一方で、投資目的で会計を勉強したい人、会計そのものを勉強したい人のニーズは、微妙にずれていることにも気が付きました。

投資を勉強したい人は、キャピタルゲインにせよ、インカムゲインにせよ、リターンをどのように得るのか?というところに関心があります。

一方で、会計を勉強したい人は、決算書を読むのが好き、であったり、会計の仕組みそのもの(簿記や会計の理論)に関心があります。

かくいう私も投資の勉強をしていますが、投資の勉強をしていて最大のメリットは、経済指標に関心が行くようになる、ということでしょう。

企業のリターン、株価は、景気の変動に影響を受けます。

自ずと経済指標に関心が強くなります。

菅さんが総理大臣となりどうなるのか!という点についてまとめた上原さんの記事です。

投資家目線でいえば、トランプか、バイデンか、という大統領選挙の行方も気になるところです。

もちろん、米中貿易摩擦も!

もちろん、会計の勉強でもこうした投資家目線は必要です。

結局のところ、内的な環境だけでなく外的な環境変化で企業業績は大きく変化します。

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例えば、こちら日清食品ホールディングスの事業について新型コロナ禍、自粛期間(4-6月)の推移です。

このように大幅にプラスになっていることが分かります。自粛期間中ではみんなカップラーメン食べてたんですね笑 新型コロナの影響についても、プラスになる業種とそうでない業種があります。

そうした見極めをして、値上がりしないうちに株を購入する、投資をするということが望ましい投資家としての態度、戦略といえます。

一方で、会計の勉強は、こうした個人の投資の話とは少し距離がある気がします。

投資家の方は常に割安の銘柄の購入であったり、保有銘柄の売り時を探っています。会計の勉強家の間ではそうした話にはなりません。むしろ、会計の特異な取引であったり、事象に関心があります。

手前味噌ですが、以前取り上げた記事ではソフトバンクグループについて毎期発生する未実現損益の問題について取り上げます。

こうした会計上の認識、測定、表示、開示といった要素に関心があるのが会計の勉強家(研究者)といってよいでしょう。会計の仕組みを理解することを通じて企業の実態を把握しよう、というのも会計の関心事の範囲に入るでしょう。

ソフトバンクグループの未実現損益の問題は、投資家にとってはどちらでもいい話でしょう。未実現損益についても織り込んで評価するから、という答えが返ってきそうです

投資と会計の勉強。

もちろん、両方ともしておくとよいと思いますが、この視点の違いは意識しておく方が混乱することは少ないでしょう。

つまり、

会計の仕組みを理解することを通じて企業の実態を把握する。もしくは仕組み自体に関心がある、という会計。

企業のリターン(キャピタルゲイン+インカムゲイン)と値動きが最大の関心事であり、その変動要因としての業績(会計数値)、外的な経済指標、政策に着目する、投資。

会計と投資。二つの勉強は見ている目線の位置が異なるということは、意識しておくとよい気がします。


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