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『役に立つ資格を身につけたいんです!』という学生さんの質問に答える

それ何の役に立つんですか?

良く聞かれませんか?とくに社会科学、商学系の科目を担当している教員によくある質問です。

えーと

何を持って役に立つと考えるか?によってその答えは変わってきます。

たとえば、私にとって役に立つスキルって、パソコンのソフトのスキルだったりします。

タイピング、ワード、エクセル、パワポの使い方。

そうしたスキルを上達させることを意識するととっても作業が捗る、つまり時短になることに気が付きました。

こうした時短スキルは本当に重宝します。

頑張って身につけないと思います。

そうそう。

ショートカットキーを覚えると本当に作業が捗ります。

お勧め。

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さて話を戻して会計の資格の話に答えます。日商簿記(全商簿記も含む)は簿記、会計の登竜門です。

ですが何も考えずに資格を取る、ということは意味がどれだけあるんでしょうか?

履歴書の資格欄を埋めるという事以外に意味があるのでしょうか?

「何のために学ぶのか?」ということをよく考えることが大事ではないでしょうか?

それは会計・経営の資格に限らず、英語、ICT分野のあらゆる資格に共通していることです。

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会計・簿記の資格は、学生さんが学んですぐには役立ちません。

今はICTの発展で、プログラミング・スキルが重宝されていますので、学ぶことで色々なところで使えると思います。情報分野の研究室にいけば学んだことを実装できますから、お勧めです。

使ってすぐに使える、役だったという実感が得られる。

これは大きなアドバンテージです。

英語は学ぶ人の状況によるでしょう。留学に行く予定や何らかの理由で使う事情がある人にとって語学を学ぶことは大きな意味があります。すぐに使えますからね。留学という動機づけがあれば飛躍的に英語能力が伸びるのはこのためです。

さて、会計・簿記の資格はどうでしょうか?これはビジネスの資格なので、正直、学生が学んですぐに使えるとは思えません(起業等する場合は別です)。

では、会計・簿記の資格は学んで、取っても意味がないのでしょうか?

私は、そうは思いません。

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会計・簿記はビジネス現場の疑似体験です。あらゆる取引において貨幣の移動を伴うものが範囲に入っていきます。

自分にとって馴染みのない取引でもイメージすることでビジネス構造を理解するのに役立つでしょう。

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簿記・会計で得られた知識・技能は、現場に出た時に役立ちます。

所属する現場に寄りますが、営利目的をしたビジネスにおいては、貨幣の移動を伴います。これに現場でしか得られない知識・経験・知識と組み合わせることで、これまで何の取引をしていたかのイメージが出来るようになるでしょう。

資格を取ってハイ終わり

では綺麗さっぱり忘れて、学んだことは卒業後使えないでしょう。

学んだことを如何に定着させるか、それを活かすことを考えるか。

そのことを常にイメージして欲しいと思っています。

資格を取っておけば有利だから簿記の資格を取る。

それもいいとは思いますが、現場でそれをどのように活かせるのか?

そのことをイメージしながら学んで欲しいですね。

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