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B/Sから企業の性格・性質を掴み、P/Lから企業の稼ぎ方を知る

ここ数日、B/SとP/Lと睨めっこしながらデータを整理しています。

いくつか気づいたことを書き出しておきます。

・日本企業においては投資その他の資産という形で他企業の株式を保有しているケースが多い。

・一方で、米国企業の有力企業においては、その割合が極端に低い(無いわけではない)。

いわゆる持ち合い株式、政策保有目的株式の存在です。

日本企業のB/Sを整理しているとどうもそれが目につきます。一方で米国企業においてはこうした株式はあったとしてもごく少額であることが多いです。

米国企業といってももちろん、どの企業を焦点に当てるかで話は変わってきます。

GAFAのような企業なのか、それともGMやGE、IBMのような企業なのかによってB/Sのありようはだいぶ違います。

ちなみにダウ30種平均の構成でGAFAに入っているのはAppleだけですね。

米国企業においては自社株買いを日本企業とは比べ物にならない形で行っているケースもあります。これはペイアウト、つまり株主への還元率を高めようという狙いです。

資産、負債、純資産(資本)の構成割合や要素をみると、その企業がどういったタイプの企業なのかが自ずと浮かび上がってきます。

自社で製造販売を行っている企業であれば有形固定資産は多くなりますし、逆にOEM、つまり他社に委託している場合は少なくなります。資金調達も負債で行うのか、資本で行うかで異なってきます。企業は株式の希薄化(1株あたりの価値が下がる)を恐れて、安易に株式発行を行わないケースが多くなっています。もちろん、テスラモータースのように自社に対する期待を高め、資本市場から積極的な調達を行う企業もいます。

企業の性格・性質を読み解くにはB/Sをじっくりと見ていくことが欠かせません。

一方で、P/L、損益計算書をみれば、企業の稼ぎ方が分かります。売上総利益率が高い企業ほど、営業利益率が高くなる傾向にはありますが、そう単純ではなく、原価にお金を掛けない分、販管費に多くのお金をかけているケースも目立ちます。逆に、原価にお金をかけているケースは、販管費が相対的に小さくなります。

売上高営業利益率などの指標で利幅を見れば、企業が薄利多売か、高付加価値かを知ることが出来ます。

「薄利多売と高付加価値のどちらがよいのか?」というよりは、

「企業の稼ぎ方のスタイルはどのような形か?」という視点で見る方がよいと思います。

薄利多売と高付加価値、どちらが優位かは、結局、ビジネスモデルに依拠することが大きいと言えます。

たとえば、Amazonは今でこそ利益を上げる企業になりましたが、当初は赤字になる決算期が多くありました。

つまり、薄利多売型のビジネスでした。これは販売促進のための費用を多額に使っていたため、です。その貢献(努力)のかいあってか、今では知らない人はいない巨大企業へと成長しました。

逆にアップルのように高付加価値で安売りを決してしないという企業もあります。またGAFAのうち、GoogleやFacebookは広告料による収入が大半であることもP/Lから読み取ることが出来ます。

こうした企業の稼ぎ方、が分かるのはP/Lの面白さ、です。

キャッシュフロー計算書もありますが、まずは基本となるのはB/SとP/Lでしょう。

この二つをじっくりと眺めていく。それだけでも多くのことが分かります。

B/Sから企業の性格・性質を掴み、P/Lから企業の稼ぎ方を知る。

ぜひ決算報告を読んで、皆さんにもそのことを体感して欲しいですね。

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