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「引き算ができる人は、本物」




仕事用のブログを、12年間書き続けている。
ブログによって、認知度を高める、と言う意図を持って書いている。


最近は、このブログのリライトをしている。
1日に多い時で3つ、少なくても2つ程度は行っている。

自分の幼い文章、つまり勢いはあるけど、言葉足らずな部分を、毎日自分で苦笑しながら、ちゃんとした

「知識ボックス」

としての役割を果たせるよう、最新の情報も入れながらリライトをするのは、まあまあ時間がかかる作業だ。

でも、書くのは楽しいから、苦にはならない。

そして、ブログは積み上がっていくものなので、
5000記事以上になったブログは、本10冊分くらいはあるのではないか、と思う。


と、話がいきなり横道にそれた・・・


実はそのリライトをしていて、思い出したことがあったんだ。
そっちが、今日の話のメイン。


ハワイに行った際のベテラン客室乗務員の人を思い出した。

その人について、以前ブログに書いていた。
あまりにも、感動したから。


普通、「感動のサービス」と言うと、スタバのカップに一言書いてもらったことなど、

「何をしてもらったのか」

が、話題になる。


でも、この時の客室乗務員の人は、その反対で、

「引き算のサービス」


だったのだ。

それに、私は感動した。


ベテラン客室乗務員のサービス内容

私が座った席が、いわゆる「お見合いシート」

目の前に客室乗務員の人が座る席で、前には座席がない。
ただ、非常口座席であるため、緊急時の際の援助をお願いされる。


それを、その座席に座ったお客様に、説明し、お願いに客室乗務員が、やってくる。


その際、私は自分の貴重品が入っているバッグを、膝に抱えていた。

この座席は、前に座席がないため、全て荷物は
上の棚に入れる必要がある。

膝においておくのもダメ。
非常時の脱出の妨げになるからだ。


それを知っていたので、客室乗務員の人が私のところにきた際、

「あ、このバッグですよね?
貴重品が入っているから、上の棚に入れるのはどうしようかと思っていたんです」


と私から言った。


すると、ベテラン客室乗務員は、

「こちらの棚にお預かりします」

と、小さな棚を示し、「離陸後お客様にお持ちしますので」

と、言ってくれた。

私の目の見える範囲で、且つ離陸した後はバッグを膝においてて良いし、そのバッグは自分がちゃんと取り出しますよ、というのだ。

「ありがとうございます」

と私は言い、ベテランの方にバッグを託した。


そして私の左側にあるシートポケットに

「緊急脱出の際のお願い」

と書かれた黄色の紙をスッと入れたのだ。

一体どこが引き算なんだ?


このベテラン客室乗務員は、本来私に黄色の紙を
持って、緊急時の説明とお願いにきていた。

ただ、私が先回りして自分のバッグのことを言ったことで、この客室乗務員の方は、

「私が、非常口について理解している」


と判断した。


そのため、お客様が気にしているバッグの件を
先に解決し、その後「客室乗務員がやるべき本来の仕事」

「省略した」

のだ。

なぜか?


「この」お客様には、もう説明は必要ない、という判断ができたから。

マニュアル通りにやるのであれば、私に「緊急時の説明」をしただろう。

でも、このベテランの方は、「必要ない」と判断し、

「引き算のサービス」ができたのだ。

一人一人に合った対応ができているのだ。

私はそれに気づいた。

私が経験者(元客室乗務員)だから気づいたのだと思うが、この対応はなかなかできることではないし、引き算のサービスに出会うことは、滅多にない。

そのお陰で、私は

「わかり切っていることを、聞く必要がなかった」

その点で、立派なサービスなのだ。


この方は、ジャケットの色が違うので、ベテランであることは間違いない。

年の頃は50代前半、だと思った。
(50代には全く見えない、美しく、上品な人だった)


「引き算は、自信がある人しかできない」


このことから言えるのは、足し算や、マニュアル通りというのは、誰でもできる。


しかし、引き算、というのは経験と自信がなければ、できないものだ。

これは、どんなことにも言えるよな、と思った。


仕事ができる人には、無駄がない。

だからこそ、仕事が早い。

ただ、文を書くということは、余分な文章があっても、それも実は必要なものであって、

「必要な遊び」


を、プロは入れることもできるのだろう。


引き算ばかりしていると、面白みも、納得感も得られないだろう。

かと言って、余計なものがいっぱいの文章は読みにくい。


引き算と足し算のバランスを取るのが、


「読みたい文章」

なのかな、と、まだまだ自信はないが、結論付けておこう。




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